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「疲れた」 この一言が僕の決まり文句であり、合言葉だった。 家族はもう慣れたもので、この言葉を聞いても何も言わない。 ただ、母だけは決まって「何を食べる?」と問いかける。 「ポテチ」 それが僕の定番の答えだった。 でも、何も言わなくても母は僕の好みを知っていた。 数あるフレーバーの中で、僕が好きなのはシンプルな塩味。 ポテチをポリポリかじりながら漫画を読むのが至福の時間だった。 もちろん、ポテチの塩がついた指は舐める派だ。 大好きな漫画を汚したくないから。