どっちに合わせる?
小学校のICT教育の目指すものは?
様々な学年やクラスに入る立場で、また、アラフィフまで教員経験や自分の子育て経験をしてきた立場で、小学校におけるICT教育についての思いを書いてみる。
特に、ICT教育を研究している訳ではないので、そこを踏まえて読んでいただきたい。
~有益だと思うもの~
①文章の読み上げをする
②単元に関連する調べ物をする
③単元に関する画像や映像を見る
④図形を立体的に見たり、動かしたりする(できれば、ハサミやのりを使い自分でやってみることで、手先の訓練や、頭の中でイメージする訓練をさせたいところ)
⑤ある程度訓練された単元の練習問題に取り組む
⑥外国語での発音確認をする
⑦体育や総合などでの動画撮影に使用する(振り返りや改善に使用)
⑧まとめやプレゼンを作成する など
~必要かな?と思うもの~
①漢字の書き取り
「とめ、はね、はらい、書き順」ができてなくても、タブレットでは○になる。
漢字テストをするなら、タブレット学習は意味がない。丁寧に書くことができないのも難点。
これからの時代、漢字を選ぶ力が必要ならば(同音、同訓異義語がわかればいいのであれば)、漢字を暗記したり、書き取りの宿題を出したり、漢字テストをしたりする意味はあるのだろうか?
「将来は覚えておく必要はないけど、今は試験のために暗記」は、覚える方も、覚えさせる方も大変。
②筆算が定着するまでのタブレット学習
まずは、ます目がある紙に、位を揃えて定規を使い、丁寧に書く訓練が必要。
雑に書けば、自分の書いた数字を間違って読んだり、雑に計算したりでミスにつながる。
確実に定着した後の確認(練習問題)までは、紙が望ましいと思う。
③問題などはタブレット、その他はノート
小学校のうちは、ノートやワークシートに「めあて、問題(できれば図、表、グラフ、資料なども)、予想、調べた結果や式や答え、まとめ」がある方が望ましいと思う。
学習が苦手な子は、「あちこち見て頭の中でまとめる」ことが難しい。学習の流れが1ヶ所にある方がわかりやすい。
長い文章や場所をとる資料は、タブレット上や別紙にせざるを得ないが、そうでないものは、ノートやワークシートに収まるようにした方が一目で確認しやすい。
④学校敷地内の観察物を撮影して、教室で観察画や絵画をかく
天気がくずれそう、強風、熱中症の危険がある日などは仕方ない。しかし、直接立体物を眺めて、「光の当たり方や陰影、写真には写りにくい細かい部分(模様や産毛など)を感じながらかくことが大切だと思う。
⑤プログラミング学習でゲームを作るために、ゲーム(決められたもの)をする
そもそも、ゲームまみれの世代にゲームを作らせる必要性、ゲームを作るほどの技術を経験する必要性があるのか疑問。
「動くグリーティングカード」などで十分ではないだろうか?
ゲームを作りたいと思えば、好きなことなので、わざわざ学校でやらなくても自分でやってみるのではないか?
また、「ゲームを作るために」と言う名目で、学校にいる時までゲームをするのはいかがなものか。学校でしかやらない「友達との遊び」の方が大切だと思う。
私の知らない、ICTの良さや改善点などが、まだまだあるだろうが、あまりにもタブレット頼みの生活は、それが使えなくなった時の暮しが危機的なものになると危惧する。
バッテリーが壊れる、災害や戦争で使えなくなったり材料や部品が供給されなくなったりする、太陽フレアなどの影響で使用できなくなる となれば▪▪▪
本で調べたり、実際に経験したり、暗記して覚えたりしてない人々は、「生きる術」がわからない。
南海トラフ地震が懸念され、あちこちで戦争や異常気象が起こる今、それで大丈夫か?
せめて、小学校のうちは、五感を生かして実体験を大切にし、様々な知識を頭に入れる訓練をすべきだと、私は考える。
便利な生活は、「考える力」「挑戦する力」「忍耐力」を奪う。そして、便利な生活に慣れきった時にそれが壊れると、自分で改善策を見つけられずに、あっと言う間に立ち行かなくなる。
今後、教科書もノートもタブレットになっていくのか、今のまま併用でいくのか、ノートなどに書くこと重視でいくのか、それによって私の身の振り方も考えなくてはいけないだろう。
みなさんは、どう考えますか?