ルンバ@妄ツイ学校高等部1年生くぼ組
ジメッとした暑さで垂れ流れる汗。 キュッとバッシュの音が聞こえる体育館。 目の前の相手を抜く、あの感覚。 地面から膝へ、膝から腕に軽い力が伝わっていく感触。 手から放たれたボールがネットを揺らす音。 ベンチから聞こえる声も応援席から聞こえる応援も、それらが僕の全てだった。 今はもう過去のこと。 忘れたくても忘れられない当たり前の日々が掌からすり抜けていく。 僕にはもう何も無い。持ってすらいない。 バスケは僕にとって本当に全てだったんだと痛いほど知った。 こ
〇〇達に異変あった頃、その異常さに山下たちも気がつき、動き始めていた。 山下:変だよね 久保:だね、〇〇くん達以外の魔力が感じられる 監査室から2人はフィールドを見下ろす形で話し合う。 現在、同時に試験が行われている。 別室には、梅澤と与田が自分たちのグループの試合を観戦していた。 そちらの試合には特に異変は無く、〇〇らを助けるのに動ける生徒は山下と久保のみであった。 山下:ま、大丈夫でしょ 久保:油断してたら負けちゃうよ? 山下:油断はしてないよ〜、それに
合宿最終日 今日は合宿成果を見せる試験の日。 みんな不思議と目に力が入っていた。 ピッーガガッーー 「アナウンスします。30分後にグループ特別試験を開始します。」 久保:みんな、準備は出来た? 〇〇:はいっ! 筒井:できてます 早川:勝つでぇ! 山下:さて…勝っておいで さくら:もちろんです 清宮:はーい! 伊月:〇〇…待ってろよ… 試験会場は体育祭でも使われた、「時の樹林」という森になった。 川や滝などが流れ、道に迷いやすいことからそう名付けら
〇〇:こうやってやり合うのは初めてだな 筒井:だね、いつもチーム組んでたし 私は君に憧れていた。 どんな時だって諦めない君が、その後ろ姿がかっこよかった。 でも今日、私は君を越えていくから。 バイバイ、過去の私。 そして… 筒井:内式”引” はじめまして、新しい私。 〇〇:引…? 周りにある木々が〇〇を襲う。 〇〇:なっ…!? 今までの内式による効果は、自分と対象物の間でのみ発動が可能であった。 しかし、内式は2種類の能力が存在する。 今、筒井が使
合宿は一週間という長い期間に渡って行われる。 それぞれのグループで特訓をし、最終日に行われる試験に見事合格すれば、期末テストが免除される。 ー〇〇サイドー 久保:こっちこっち〜 ○○:こんな山の中でするんですか? 早川:私不利なんやけど 久保:Ⅰ類は特にこういう場面での臨機応変さが大切なのよ 筒井:そうなんですか? 久保:式神相手だと尚更ね ○○:それで戦いづらいこの場所… 合宿が始まる。 久保:とりあえず3人一気にかかってきなさい ○○:手加減しませ
場所は変わりー 校内で奈々未さんの話を聞く遠藤たち。 橋本:ふぅ…あなた達には反転魔法について練習してもらうわ 煙草を吸いながら奈々未さんは話す。 さくら:反転魔法ですか? 橋本:ん、簡単に言えば治癒魔法みたいなものね、魔力を流すのでは無く発散させるイメージかしら 賀喜:治癒魔法じゃダメなんですか? 橋本:治癒魔法じゃ限界かある さくら:限界? 今にも煙草の火が消えそうだ。 橋本:そ、限界。治癒できる範囲とかね 治癒魔法はいわゆる、軽い怪我を治す為に生み
スラッとした立ち姿をした1人の男性が言った。 紅凪:僕は深川紅凪 次に隣にいた女の人が話し始める。 奈々未:私は橋本奈々未、太陽と月の元メンバーで今は3年生の副担任 設楽:うちの最高傑作みたいなもんだよ、彼らは 〇〇:白石〇〇です、よろしくおねがいします! 紅凪:ほんとだ、言った通り持ってんだ笑 〇〇:? 奈々未:あなたも持ってるのね さくら:え? 深川:あなた達の持ってる四代式神のことよ 紅凪:んじゃ、とりあえずやりますか 〇〇:特訓… ワクワクが
梅雨が明け、蒸し暑い夏がやってきた。 大学ももうそろそろで夏休みに入る。 初めての夏休みにワクワクする反面、テストが近づいていることにナイーブになってしまう。 「はぁ…彼女欲しいよなぁ…」 隣を歩く1人の友人が溜息をつきながらそんな事を口にする。 「大学生の夏といえば、やっぱり汗だくで彼女とヤリまくるしかないよな」 またその隣にいるもう1人の友人が女子の前では絶対に言わないであろう理想を語る。 ま、確かにそうだな。 彼女の居ない大学生の夏休みなんかたかが知れて
体育祭で盛り上がっている場所から少し離れたところ。 乃木高3年 齋藤飛鳥 気が強く、容赦ないその性格に多くの生徒は恐れていた。 また、その華麗な容姿から男子からは密かにファンクラブが作られていたが当の本人はその事は知らない。 そして、彼女は特Ⅲ類に属される式師である。 この乃木高において彼女は最強と呼んでも過言ではない。 そんな彼女の前に、いや、彼女たちの前に現れた。 1人の「シキガミ」 飛鳥:離しなさいよ! ??:全くうるさいですね 飛鳥:は?どこの馬の
10月某日 乃木高校 体育館 〇〇:じゃあ頑張って 遠藤:うん、そっちこそ負けんなよ! さくらとの秘密特訓から約2週間が経ち、季節はすっかり秋となってしまった。 〇〇:個人戦は競技場だっけ? 賀喜:うん、そっちはプログラミング場でしょ? 〇〇:あぁ、初めて使うから結構ドキドキしてる プログラミング場 乃木高校が誇る屈指の技術が詰め込まれた競技場である。 森林や街の中、サバンナなど色々な空間をプログラミングで再現することが出来る。 今回はランダムで場所が決
文化祭が終わってもなお学校は賑やかだった。 朝から夕方まで教室にあかりが灯っていた。 それは、体育祭がまじかに迫っていたからだろう。 かく言う俺も体育祭に胸を踊らせていた。 深川:じゃあ今日から体育祭に向けて準備していくよ〜 先生から説明を聞く。 深川:まず、競技の事だけど一人一つ出てもらうから うちの体育祭は普通ではない。 簡単に言えば魔法を使って闘い、力を高め合う。 競技に魔法や式を使うという訳だ。 深川:ただ、賀喜と遠藤は個人競技に出てもらうから
校舎から少し離れた場所にある競技場。 ホログラムを使ってよりリアルなシキガミを再現することが可能である。 また、体育祭や文化祭などでも使用される。 そんな場所を使って技能テストを行うのはうちぐらいらしい。 深川:じゃあ始めるよ〜 先生が機械を操作すると目の前に「シキガミ」が姿を現した。 改めて目の前にするとその大きさや纏う雰囲気に思わず息を飲んでしまう。 前と同じように念じるが何も起きない。 たじろいでいると「シキガミ」が襲いかかってきた。 ○○:っ! ギ
交流会が終わると、いつも通りの日常が戻ってきた。 ○○:ふぅ あの特訓以来、式の練習をしているものの式を使うことが出来ていない。 そんな状況が続いていた。 大陰:全然だな ○○:イメージは前と同じはずなんだけどな 魔力が集まる気配がしない 大陰:まぁ、一回使えたんだし、大丈夫だろう ○○:軽くね? 大陰:頑張りたまえ 全く…無愛想なやつめ。 ________________ 翌朝 さくら:おはよう ○○:おお、さくらおはよう、大丈夫なのか? さく
最終日 深川:今日で最後だから、何か一つでも盗めるものがあるなら先輩から盗んできなさい! 一年:はい! 山下:今日も頑張ろー _______________ 山下:今日は個々の力を伸ばしたいと思います! ○○:おぉ〜 さくら:パチパチ👏🏻 山下:じゃあこっちおいで〜 ○○:ここは 山下:乃木高校が誇る唯一の競技場だよ さくら:競技場… 山下:プログラミングを使って「シキガミ」を再現出来るんだよ〜 さくら:そんなことが出来るんですね 山下:今回は特別
深川:よし!じゃあ次やるよー! ○○:頑張れよ〜賀喜! 何か考え事でもしていたのだろうか あんなに思い詰めた賀喜の顔は初めて見た。 岩本:同じⅢ類同士頑張ろうね 賀喜:…… 岩本:賀喜さん? 賀喜:は、はい! 岩本:大丈夫? 賀喜:だ、大丈夫です! 深川:行くわよ!よーいドン! 岩本:じゃあ遠慮なく 賀喜:…… 岩本:式!倍式! 賀喜:式!麗式! 賀喜は体に風を纏うが 岩本:風が主体の能力ね… 岩本:魔法 雷 賀喜:え 賀喜に直接雷が落
私は昔から”天才”と呼ばれていた。 ??:おおーい、早くー! 賀喜:待ってよ〜 ??:遅いなぁ。かっきーは 賀喜:はぁはぁ、あんたが早いのよ、聖来 ??:そうだよ、聖来 賀喜:柚菜もそう思うよね。 柚菜:うん 聖来:えぇ〜そうかなぁ 私たちはいつも3人で一緒に居た。 私の家は厳しくて魔法の事や式の事ばっかり教えられてきた。 周りからは天才だからと腫れ物扱いを受けることも多かった。 それでも小学生になると 聖来と柚菜の2人に出会い 私の人間不信は少し