政令指定都市めぐり【第13回】

神奈川県の相模原市は、関東に住んでいる人でさえ、横浜市や川崎市に次ぐ第三の政令指定都市で、人口も70万人を超えると聞いても、ピンとこないだろう。

それは、やはり主要鉄道網から離れている影響もある。

むしろ、駅名を聞いたほうが「ああ、あそこが相模原市なのか。」と実感できるのではないだろうか。

その駅名は「橋本」である。

東京都の新宿が起点である京王電鉄に乗ると、八王子方面行きと相模原方面行きに調布駅で分かれ(もちろん直通電車は走っている)、相模原線の終点が橋本駅である。

また、八王子駅に向かうJR横浜線の中間点には、町田駅(東京都町田市)があり、町田駅を過ぎると、相模原駅と橋本駅に停車する。

その橋本駅のそばに、実は、品川・名古屋間のリニア中央新幹線の「神奈川県駅」ができるのである。

リニア中央新幹線は、2027年開業が遅れる可能性があるが、開通したら品川から名古屋まで約40分で到着する。

品川の次に、相模原市の駅に停まり、山梨県甲府市→長野県飯田市→岐阜県中津川市の駅を経て、名古屋まで行けるわけである。

だから、リニア中央新幹線の開通によって、相模原市は観光客を呼び込めるチャンスを得るわけであり、今こそそこまで人気はないかもしれないが、3年先を見据えたまちづくりは必要だろう。

相模原市は、南区・中央区・緑区の3つの行政区で構成されている。

実は、横浜市とはまったく接していなくて、同じ神奈川県の大和(やまと)市や東京都町田市が、相模原市の東側で横浜市との間のクッション的な役割をしている。

相模原市の北側は、東京都町田市のほか、八王子市と檜原村が接しており、西側は山梨県の上野原市と道志村が接している。

山梨県道志村は、小1の女の子が行方不明になった事件があったし、相模原市の緑区においても、津久井やまゆり園で介護職員による悲惨な事件があった。

ただ、道志村も相模原市緑区も、キャンプ場としては人気のエリアであり、毎年夏はにぎわっている。

緑区には、知る人ぞ知る「相模湖プレジャーフォレスト」があり、子どもにとってはうれしい遊び場所であろう。

中央道の相模湖インターからのアクセスも良いので、マイカーやレンタカーで行く家族連れが多い。

相模原市は、岡山市に次いで19番目に政令指定都市に指定された。2010年のことである。

その後、20番目に熊本市が政令指定都市に2012年に指定されて以降、新たな政令指定都市は11年間ずっと誕生していない。

以前から「くまモン」で知名度が高い熊本市に負けず、リニア中央新幹線の開通とともに、もっと有名になってほしいものである。




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