法の下に生きる人間〈第14日〉
マイナンバー法では、私たちそれぞれに与えられた個人番号について、提供の制限を厳しく定めている。
これまで、職場や役所等の手続きにおいて何らかの書類を提出する機会があった人は、担当者から「マイナンバー(個人番号)は絶対に書かないでください。」と言われたと思う。
あるいは、その書類自体に、「個人番号は記入しないでください」という但し書きがあっただろう。
その根拠は、マイナンバー法の第14条及び第15条に示されている。
【第十四条】
個人番号利用事務等実施者は、個人番号利用事務等を処理するために必要があるときは、本人又は他の個人番号利用事務等実施者に対し個人番号の提供を求めることができる。
2 個人番号利用事務実施者(政令で定めるものに限る。)は、個人番号利用事務を処理するために必要があるときは、住民基本台帳法第三十条の九から第三十条の十二までの規定により、機構に対し機構保存本人確認情報の提供を求めることができる。
【第十五条】
何人も、(略)他人(自己と同一の世帯に属する者以外の者をいう。)に対し、個人番号の提供を求めてはならない。
以上である。
個人番号利用事務実施者でない限り、他人に対して個人番号の提供を求めてはならないのである。(聞くのもダメである。)個人番号利用事務実施者であっても、提供を求めるのは、必要最低限度である。
ただし、第15条のとおり、自分と同一世帯であれば問題ない。
では、認知症の人の場合、マイナンバーカードの扱いは、どうなるのだろうか。
これについては、ちょうど2日前に、松本総務大臣が会見でこう言っている。
NHKニュースでも放送されたが、今年11月から暗証番号不要で交付できるようにするとのことである。
高齢者や認知症の人のマイナンバーカードの取得率は、一般の人よりまだまだ低い。
ただ、今国会で健康保険証との一体化がマイナンバー法改正により決まったので、それによって本人確認を行うことにするようだ。
ちなみに、暗証番号不要で交付された場合は、マイナポータルは使えないようになっている。(そもそも暗証番号を忘れたらマイナポータルにはログインできない。)
健康保険証との一体化は、賛否両論あるかもしれないが、これからの時代はキャッシュレス、ハンコレス、ペーパーレス、カードレスがどんどん本格化していくはずである。
世界的にこの動きが広がれば、結局、私たちは前へ突き進むしかないのである。