デルタ株との戦い《第17章》

インフルエンザが流行っているからといって、マスクをみんなが着用するわけではない。

マスクを着用していなくても、予防接種を受けていなくても、まったく発症せずに冬を越せる人は多い。

ただ、史上最悪の死者を出したスペインかぜは、世界で4000万人が死んだ。

日本でも1918年から1921年にかけて、約3年で45万人が死んだという。

コロナ禍では、2020年の冬から今日までの約1年半で、死者は1万5000人である。

当時とは比べられないくらい医療機器が開発され、また、医学の進歩や衛生環境の改善があって、この1万5000人の死者というのは、多いのか少ないのか。

デルタ株が蔓延するようになって、死者数は抑制されているという。対して、重症者の数は、過去最多を更新している。

1910年に90歳で亡くなった、かの有名なナイチンゲールは、病院の衛生環境を改善したことで、クリミア戦争での傷病者の死亡率を40%から5%にまで減らした。

死亡原因ごとに死者の数が分かるように作られたレーダーチャートは、ナイチンゲールが最初だと言われており、統計学の祖としてイギリスでは伝えられている。

彼女がスペインかぜの時代や今の時代に生きていたら、どんな統計分析をもとに、効果的な対策を打ち出してくれただろうか。

先人から学ぶことは多い。自分の感染予防のために、統計分析を活かすことも必要ではないだろうか。






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