ゼロからのヴァイオリンマスター(21)

移弦の練習をしていて気づくと思うが、弦の正確な位置を指で押さえていても、きれいな音が出せないときがある。

それは、なぜか?

弦に当てる弓の角度が、それぞれの弦で微妙に違うからである。

試しに、A線からD線へと移弦してみるとよいかもしれない。

D線の音を出すつもりが、弓の傾け方が大きすぎて、G線の音を出してしまう場合がある。

ゆっくり弾いていたらそんなことは少ないとは思うが、速いテンポになって焦ったときは、初心者はつい低いG線の音を出してしまう。

でも、慣れないうちは、いくら曲本来のテンポで弾きたくても我慢して、スローテンポで練習すべきである。

二兎追う者は一兎をも得ず。

このことわざにあるとおり、どっち付かずになり、結局、移弦のテクニックもなかなか上達しなくなるのである。

だから、原曲の速さで弾きたい曲があるなら、短い曲やゆっくりめの曲をチョイスして練習してみるとよいだろう。


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