ゼロからのヴァイオリンマスター（１２）

ヴァイオリンの弦１本だけを使って演奏できる曲は、かなり限られる。

ほとんどの曲は、隣り合う弦に指を移動するので、初心者の場合、最初は苦労する。

そして、同じ弦の上での指の動きもままならないのに、移弦の練習をいきなりやっても、どっち付かずになってしまう。

だからこそ、１本の弦で演奏できる曲をカンペキにマスターすることが重要なのである。

ここでいう「カンペキ」とは、きれいな音を最初から最後まで出すことはもちろんだが、途中で止まらずに指を動かせるようになっている状態をいう。

今日は、Ａ線（ラから高音のミまで）だけを使って弾ける曲を例示しよう。

幼稚園や小学校低学年でよく歌われている「ちょうちょ」である。

一般的には、ハ長調の「ソミミ、ファレレ、ドレミファソソソ」がよく知られているが、それだと「ド」のところで移弦しなければならない。

だから、移調してイ長調の「ミドド、レシシ、ラシドレミミミ」で弾いてみるのである。

ここで気を付けることは、イ長調の場合、「ド」「ファ」「ソ」に＃がつく。ただ、「ファ＃」「ソ＃」の音は、この曲にはないので、「ド＃」だけをしっかりと弾ければよい。

この曲は、親指を除くすべての指を使って練習できるので、とても良い教材になる。

さあ、やってみよう。