政令指定都市めぐり【第12回】
横浜駅から、JR在来線の東海道線もしくは京浜東北線で北へ向かうと、約10分で川崎駅に着く。
また、京浜急行電鉄(=京急)もJRと並行して海側に近い方を走っており、「京急川崎」駅がある。
京急川崎駅とJR川崎駅は、歩いて5分ほどしか離れていない。
今日は、神奈川県では横浜市に次ぐ第二の政令指定都市である川崎市を紹介しよう。
川崎市の行政区は、①川崎区・②幸(さいわい)区・③中原区・④高津区・⑤多摩区・⑥宮前区・⑦麻生(あさお)区の7つがある。
横浜市の行政区の数の半分以下であるが、実は、全国の政令指定都市20の中では、一番市の面積が小さい。
それでいて人口は多いほうだから、人口密度はかなり高い。
また、東京都と北側で接しており、川崎市の市境を越えると、東側から順番に、①大田区、②世田谷区、③狛江市、④調布市、⑤稲城市、⑥多摩市、⑦町田市に入ることになる。
大田区は、羽田空港があることでも有名だし、世田谷区や調布市も言わずと知れた人気エリアである。
東西に細長く広がっている川崎市は、JR南武(なんぶ)線と多摩川が縦貫していることでも知られている。
南武線は、川崎駅が起点であり、終点は東京都立川市にある立川駅である。
立川駅は、JR中央線の駅でもあり、そこから甲府・松本方面へ特急あずさに乗り換えることも可能である。
終点の立川駅の手前には、府中市の府中本町駅もあり、そこで武蔵野線に乗り換えると、時計回りに西から東へ、埼玉県や千葉県を通って、西船橋駅まで行くこともできる。
鉄ヲタ(乗り鉄)にはたまらない冒険になる。
さて、川崎市に何か観光スポットがあるかというと、正直パッと思いつかない。
川崎区の川崎大師くらいであり、あとは、中原区にある武蔵小杉のタワマン密集地帯が有名である。
JRの武蔵小杉駅のホームに立てば分かるが、ホームの目の前にタワマンがそびえ立ち、すぐ近くの線路を東海道新幹線が猛スピードで走り抜けるという、近代化の象徴とはいえなんともシュールな光景である。
最後に、川崎市では、かつて在日コリアンに対するヘイトスピーチがひどくて、市議会において「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」がちょうど4年前の12月に成立した。
お隣は国際色豊かな横浜市、羽田国際空港が対岸に見えて、東京都に一番近いところなのだから、もっと世界に誇れる「人権感覚豊かな都市」を目指してほしいものである。
明日は、同じ神奈川県の相模原市に移動するとしよう。
政令指定都市を、全国最多の3つ抱えている神奈川県は、さまざまな顔を持っているので魅力的である。