法の下に生きる人間〈第54日〉
昨日の続きだが、チャーハンを残飯と卵で作るとしても、そんなに料理はうまくないし、手間がかかると思っている人もいるだろう。
チャーハンの具を刻むのはたしかに手間がかかるかもしれないが、コンビニで手軽に買える「チャーハンの素」さえあれば、料理に自信がない人でも、フライパンで残飯や卵と混ぜて炒めるだけで完成する。
時短にもなるし、ベーコンとか玉ねぎとかピーマンをわざわざ買って余らせる心配もない。
でも、「ふだん外食が多い人はどうするの?」という声も聞こえてきそうだ。
外食が多い人に、食品ロス削減努力を動機づけるにはどうしたらよいだろうか。
外食をする人は、居酒屋やスナックに好きで通っている人や、家族で休みの日にファミレスに行く人もそうだが、ある店の常連客になっているはずである。
その人がもし、毎回のように決まって何かを食べ残していたとしたら、その店の食品ロス削減に全然貢献できていないことになる。
お金は落としているからお店の儲けはある程度見込めるが、「お金を払っているんだから、食べ残すのは自由でしょ!」と文句を垂れる困ったちゃんもいるのは事実である。
だからこそ、毎回残さずに食べて帰ってくれる常連客には「完食マスター」みたいな称号をお店側が与え、会計から何%か割引を行う工夫ができないものだろうか。
スタンプカードを発行してもよいだろう。お店独自のポイント付与サービスを実施してもよいし、とにかく完食を重ねていけば、特典がたくさん付くようにすれば良い。
なぜこういった施策を、行政が企画提案できないのか不思議である。
コロナ禍では、感染対策を徹底している優良店は、ステッカー掲示をしていた。
それと同様に、「私たちは、食品ロス削減に取り組むお客様を応援します!」というような宣言ポスターが貼られていても良いと思うのだ。
家族でファミレスに行く人は、そういったポスターに子どもにも目を向けさせ、大人になる前に食品ロス問題に関心を持たせることも大切である。
事態の深刻さを子どもが案外理解してくれたら、もしかしたら、子どもの好き嫌いが減るかもしれない。そうなれば、一石二鳥である。
世の中のパパ・ママたちの中には、子どもの好き嫌いを減らすべく、食材を細かく刻んだり、スープの中に混ぜ込んだりする。
子どもからすれば、何をコソコソやっているんだという話であり、そうではなくて、真正面から食品ロス問題を一度突きつけてみるとよいだろう。
就学前の子どもには難しいかもしれないが、まずは、親が子どもの食べ残しをすべて完食して、飲食店の「完食マスター」になることが第一歩である。