今昔バス物語(4)
バスを待つときに、バス停には今も昔も必ず、バスの発車時刻表がある。
到着ではなく、発車時刻なので、乗客が少なかったり、信号がすべて青だったりして、予定より早く到着した場合は、発車までしばらくは停車している。
昔は、バス停に乗降客がいない場合は、停車せず、飛ばすことが多かった。今もそうかもしれないが、今のほうが「時間調整のために停車します」という運転手のアナウンスが入ることが多い。
さて、昔のそういう状況では、バスに乗るときは、少なくとも発車時刻の5分前までには、バス停に着いておく必要があった。
私が中高生だったときは、運悪く乗降客が一人もいなかった場合、バス停に行き着くまでの間に、自分の歩いている横をバスが猛スピードで通り過ぎて行くケースがあった。
そういうときは、「しまった!」とよく残念がっていたものだ。
今なら、間違いなくクレームものであり、人によっては、即座にスマホで写真を撮ってSNSに上げるだろう。
2000年代初めは、まだ「写メール」の時代で、携帯にカメラ機能が付帯するのが真新しかった。
それまでは、自宅の最寄りのバス停の時刻表は、手帳などにメモっていた。それが、メモらなくても、携帯のカメラで時刻表を撮影すれば一発保存できるようになった。
また、自治体もバス会社も、ホームページにバス時刻表を掲載するようになり、デスクトップパソコンを持っている人は、プリンタで印刷していたものだ。
当時は、ホームページも普及し始めた頃であり、私も若い頃は、HTMLテキストを独学で勉強してホームページを自分で作った経験がある。
それが今では、ホームページをわざわざ見なくても、ジョルダンなどで、直近のバス時刻が検索できるようになったのである。
携帯電話はガラケーからスマホへ、パソコンはデスクトップからノートパソコンもしくはタブレットへと、時代は大きく様変わりした。
バスの回数券も、今ではオトクなICカードに取って代わられて、時刻表もチケットもペーパーレス化していったのである。