心地よい音たち

目の前のテレビはアバランチが点いていて、綾野剛はやっぱり最高だななんて思いながら。指はパソコンの上を動き回りnoteを書いている。そして片側の耳でとらえるのは、食器を洗う音。

遅い晩御飯を済ませた彼が自分のお皿やフライパンを洗ってくれている。洗ってほしいと頼んだのだけれど、実際私よりも隅々まで丁寧に洗うので家事向いていると思う。でもずぼらながらも私から家事全般が取り上げられたら意義を失いそうなので、たまに頼むくらいでよい。

ASMRがもっぱら流行っているけれど、私は人の奏でる生活音が好きだ。昔資格試験の勉強をするときに、好きなYouTuberの生活音だけを集めたものを聞きながらやってみたらとても集中できたし。食器のカチャカチャいう音、紙をめくる音、お茶を注ぐ音、野菜を切る音。ああこんなにも生活の中で音はあふれているのかと再確認できたのもあるし。

子供の頃、熱が出るとリビングに近い部屋で寝ていた。たぶん何かあってもすぐ見に来られるようにということだったのだろうけれど、熱と薬によりぼんやり寝ている中で母の生活音を聞くのが好きだった。ああ今チラシを見てるなとか、棚の扉を開けたなとか、お湯を沸かし始めたなとか。病気になった時って自分だけがこの世界から取り残されているような気持ちになるのだけれど、生活音は一気にそんな気持ちから引き戻してくれる気がするし。

そこに会話がなくとも、生活音を感じる。やはり私は一人暮らしは向いていない。

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