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新入社員の苦悩 摂食障害の私 体験記⑨

二次会のカラオケ店で歌った私は、慣れない歌に緊張していた。

「良いよね~。この歌!」

隣に座ってきた同期のTくんが話しかけてきた。
私とTくんは、同じ沿線で一緒に帰る事もあった。まだ慣れない満員電車や仕事の愚痴、先輩の事なんかもお互い話す仲になっていた。

入社した頃、過食の影響で太っていて肌もボロボロで、自信も全く無かった私を、Tくんはよく気にかけてくれた。何でこんな私に優しくするんだろう?と不思議に思うくらいだった。
当時の私は自信が無さすぎて、相手の顔も良く見れなかったし話す事も避けていた。端からみると暗いし、コミュニケーション下手な人間だったのに。

二次会が終わって私達同期のメンバーは、酔っぱらいながら帰った。気持ちの良い朝だった。

だいぶ仲良くなった同期の私達は、職場でも気軽に話せるようになっていた。

あまりにもリラックスしすぎて、新入社員でいながら自由気ままに振る舞う私達を、他の先輩は良く見てなかったようだ。

昼休み、同じフロアの別の班に居る友達とお昼を食べてる時、別の課の友達も食堂に来ていた。
しかし、別の課の様子はかなり独特だった。

先輩と後輩が一緒のテーブルで食べるのだか、まず後輩がテーブルを確保。必ず決まった席に座り、先輩達と自分達のお茶汲み。先輩達の後に食べ始め、先輩ペースに合わせて食べ終える。
愉しく会話してる様子は一切なく、ただ黙々食べていた。
あんなの昼休みでもなんでもないなと私は思った。

食事が終わって、午後の就業時間まで皆思い思いに過ごしていると、さっきの別の課の友達二人が疲れた顔でやってきた。
先輩達が居なくなったからか、彼女達は凄い勢いで仕事の愚痴を喋りまくっていた。

彼女達の愚痴を聞きながら、私は内心ホッとしていた。
私の課や先輩は、まだこれよりマシだと思った。

就職先の配属は、かなり重要だ。
しかも社会人になって初めての職場がこんな所では、私は持って1ヶ月だと思う。

しかし、ちょっとだけ面倒な先輩もいた。

特に女性の多い職場は昔から続くわけのわからない習慣を続けてたりする所が多い。
昼に食べてるモノにいちいち文句を言ってくる人。
「カップラーメンなんて食べてるの?あの子大丈夫?」
いやいや、別に食べてるのは友達で、あなたじゃないから良いじゃん。
てな感じの、自分の事は棚に上げて周りの人間の観察ばかりしてくる暇な先輩。
あんな女性には、なりたくないと思った。

しかし、こんなもんじゃない。
もっとひどい職場に私はこの十数年後就職する事になる。
それは、また後日。

つづく

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