エントロピー増大の法則 (ちらかるのは当たり前)
宇宙も身近なまわりも全てエントロピー増大の法則が動いています。
世の中の全ては変化の連続です。
いわゆる「無常」というものです。
その変化というのも、平家物語の冒頭の
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
娑羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはす
にあるように、人が願うような「進化」というよりかは「退化」と感じる場合が多いのが常ではないでしょうか。
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宇宙のエントロピーと森羅万象
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「秩序」と「無秩序」を行き来する変化に注目した時に、その無秩序の度合いを表すのがエントロピーです。
無秩序(乱雑)なほど「エントロピーの値が大きい」と定義づけられていて、宇宙のエントロピー増大が「自然の変化」であって、森羅万象は秩序が退化する方向に進行します。
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身の回りのエントロピーの増大
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片付けても片付けてもすぐに散らかってしまう
気がつくと埃がたまっている
清潔でなくなってゆく
老化してゆく
枯れてゆく
なにもしなければ(強制的なエネルギーの介入をしないで放っておくと)無秩序の度合いが増えてゆきますので、こうしたことは、誰のせいでもなく、すごく当たり前なのです。
モノゴトがややこしくなってゆく
人間関係がもつれてゆく
システムがよくわからなくなってゆく
こうしたことも「ケア」を怠ったことが原因である場合が多いので、当たり前の現象なのです。
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エントロピーの増大に争う方法「拭く」
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「拭く」という字は「手偏に「式」」と書きます。
「式」とは数式や方式など、なにかの方法や手順を示す言葉ですし、式神というのも「何かの方法を持つ神」のこと。
したがってこの文字の成り立ちから推察するに、「拭く」という行為は人間が「自然のエントロピーの増大に争う方法」として見出した一番最初の行為であったのでしょう。
そしてその効果が絶大であった。
「ふく」が「福」 ・・・ 幸せをもたらす
「ふく」が「復」 ・・・ 元に戻す(エントロピー増の前に戻す)
という言葉に連なっていることが、そのことを如実に示しているようです。
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