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自由詩

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2023年10月の記事一覧

海食崖

あなたの喉元に降りかかるそれは
決して綿雪などではなく
何もない海食崖
ただ正視をつづけるわたしたちの
声が消え尽きてしまう地点から
西日が低く落としている眦
その海岸線に沿ってたくさんの
過去を持たぬ生き物が
歩いている
その目のいろ
あれはわたしの目だ、と思った

あなたの耕していった
なだらかな果樹林を抜けるとき
おなじ歩幅で
あるいはおなじ文法で
昨季降らなかったぶんの雨が 沈殿する
ここ

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