
【海外PR】英語プレスリリースの書き方
はじめに
こんにちは、うえのるいーずです。私は現在、外資企業の日本向けPRと日系企業の米国向けPRを行っています。米国PRに関しては未経験で分からないことだらけなのですが、いかんせんノウハウを持っている日本人が全然いない・・・

直近、海外向けPRをやりたいというスタートアップも増えている中で、きっと多くの広報/PRパーソンも同じような悩みを抱えているのではないでしょうか?
幸い、私は現在アメリカに住んでおり、PR代理店をはじめとしたPRパーソンともコミュニケーションが取りやすい立場にあります。この機会を活かすしかない・・・!今後は自分の勉強(英語の海外PRの両方)もかねて、海外PRについて少しずつ情報発信ができたらと思っています。
手始めに英語プレスリリースの書き方をまとめました。これは日本国内で活動している広報/PRパーソンの中でも最も可能性のある広報業務だと思ったからです。
参考になりましたら、是非シェアやスキ、Xのフォローをしてもらえると嬉しいです!
基本のフォーマット
まずプレスリリース自体がどのような構成になっているのか、基本のフォーマットから。
”For Immediate Release”を左上に、コンタクトを右上記載
即時解禁のリリースの場合、"For Immediate Release” と左上に記載します。一方でエンバーゴ(情報解禁日)を設定したい場合は、"Under embargo until” と記載します。エンバーゴがある場合は取り扱いに注意する必要があるため、赤字記載にしている企業も多い傾向。この上に"NEWS RELEASE" や "PRESS RELEASE"、"EVENT RELEASE" の記載があるものも。

一方で、"For Immediate Release” が右上にあったり、コンタクト情報が"For Immediate Release” の下やプレスリリースの末尾に記載されているものなどもあるようです。

ニュースを要約するタイトルと、イタリック体のサブヘッダー
固有名詞、接続詞、前置詞以外の単語は、語頭を大文字する必要があります。タイトルは長くても10words、 サブタイトルは20wordsが良いようです。なお、Googleの検索結果には55-70 charactersが表示されるそうなので、意識してみてください。
CITY, STATE, Date –
bodyの最初には企業の所在地とリリース日を記載します。これも場合によっは州が省略されていたり、略称(カリフォルニアであればCAなど)で書かれています。
"For Immediate Release”の下にリリース日の記載がある場合はDateが省略されていることもあるようです。


逆ピラミッド構造のプレスリリース
英語のプレスリリースは「逆ピラミッド構造」で構成されており、一番重要な要素から始めることを意識します。

具体的にはどういうことでしょうか?HubSpotのHow to Write a Press Releaseによると
Your first paragraph should state what the announcement while providing some context around your business and what it does.
最初の段落では、貴社のビジネスとその内容などのコンテクストについて述べつつ、何のアナウンスメントであるかを伝えます。
The next two to three paragraphs should include quotes from a company spokesperson or business executive to explain the “why” behind this announcement.
次の2〜3つの段落では、企業の広報担当者や経営者の引用を含めながら、アナウンスメントの背景にある"Why"を説明します。
Your last paragraph should be an “About Us” section that explains what your company is and what it offers.
最後の段落ではあなたの会社や何を提供しているかなどを説明する"About Us"を含めます
のような構成になります。
リリースの最後には###を
日本語でも「以上」と書いたりしますが、英語版のプレスリリースでは "###" や "———"などを記載します。"###" が一番多く、一般的だと思われます。
Tips
ここからは細かいTipsをご紹介していきます。細かいTipsと言っても、プレスリリースを執筆する際にはとても重要なポイントになるので、チェック項目のように使ってもらえると嬉しいです。
長さはA4サイズで300~500wordsが適切
全体で3~4パラグラフほどの構成となり、1パラグラフあたりの文量は3~4センテンス。1センテンスは20~25wordsくらいが適正。
新しく、重要な情報をプレスリリースの後部に入れない。末尾から削っていったとしても重要なメッセージを失うことがないのが良いプレスリリース
記事体でかき、quoteを除き、 “you,” “we” or “I” は使わない
ターゲットを明確にする
これは日本語のプレスリリースでも同様ですが、誰に届けたいのかを意識することを忘れずに
キャッチーなヘッドラインをつける
行動動詞を使用し、具体的で簡潔に要点を押さえたものにする
色々な素材(ロゴやプロダクトイメージ、headshot)を使う
newswireについてはまた別記事で書けたらと思いますが、ロゴは2つになると価格が上がることがあるので注意してください
ハイパーリンクを使う
プレスリリースで紹介する必要のない情報や、ウェブ上に良いリソースがある場合はハイパーリンクも有効活用する
ストーリーを実証するためにクオートを入れる
関連性があり、信頼性があり、魅力的な人(自分自身やチームメンバー、パートナー、顧客など)からのクオートを入れるとプレスリリースに深みが増しますが、必ずしも入れなくてはいけないというわけではありません。クオートは人間的な要素を加え、ストーリーを実証するためであって、情報を繰り返すものではないことを留意してください。
※クオートが使われる良い5パターン
1. あなたのストーリーがなぜ「今」必要なのかを示すために使う
2. 科学的であるなど難しいトピックの場合、短くて力強いサウンドバイトを強調することで読みやすくする
3. 人間味を与える
4. 引用に有名な人を使うことでその人物の称賛だけで、記事に新たな切り口を与えることができる。普段は読者の一部ではない人々に、目を向けさせ、注目させることができる
5. ニュースリリースで人々を不安にさせるようなことを発表する場合(例えば、企業の買収で従業員や顧客基盤に影響が出る可能性がある場合)、変化を必ずしも恐れる必要はないことを、クオートを使って読者を安心させることができる
箇条書きで要点をまとめる手法も
英語でのプレスリリースではしばしば箇条書きが使われているのですが、よく使われている場面として2つご紹介したいと思います。1つ目はbodyの最初にプレスリリースのハイライトを記載するパターン。そして2つ目は機能や統計、データを記載するパターンです。




その他
ここからは私が実際に英語プレスリリースを書き、修正をしてもらう中で気付いたことです。あくまでも私が気付いたことベースなので、正しいかどうかは自己判断いただけると嬉しいです。今年はここをどんどん増やしていくのが目標です。
同じ単語を何度も使わない
これは日本語リリースでも同様なのですが、慣れていない言語を使うことで起きがちなあるあるだと思います。
フォーマルな単語を使う
プレスリリースにおいてよりフォーマルな表現を使うことを意識しておくに越したことはありません。
例えば、過去に"See"という表現を"Observe"に修正されたことがありました。ChatGPTに聞いてみると
"Observe"は通常、"see"よりもフォーマルな表現です。"Observe"はより注意深く、専門的な状況や学術的な文脈で使用されることがあります。一方で、"see"は一般的で日常的な表現であり、略式なコミュニケーションやカジュアルな状況でよく使われます。
との回答が得られました。
ネイティブスピーカーではない人にとってはかなり難しい作業ではあるのですが、ChatGPTなどを駆使して頑張りたい・・・
単語のニュアンスに注意を払う
これまたネイティブスピーカーではない人にとってはかなり難しい問題・・・例えばExcitedとThrilledの違い分かりますか?これもChatGPTに聞いてみましょう。
"I'm excited"(私は興奮しています): 一般的で広く使われる表現で、様々な状況で使えます。興奮や期待があるが、感情の強弱は中庸で、比較的穏やかな表現です。
"I'm thrilled"(私は興奮しています):より強い感情や興奮を表現する表現です。"thrilled" は "excited" よりも感情が高まっていることを示し、非常にポジティブで強烈な興奮を表現します。
他にもAmplifyやExpandの違い("Amplify" は強調や拡大を含む広範な意味で使われ、比喩的にも使えます。一方で、"Expand" は物事を物理的または概念的に広げることに焦点を当てています)などキリがありません・・・
今回参考にした記事
このnoteを書くにあたって、参考にしたサイトは下記になります。ぜひご覧ください。
いいなと思ったら応援しよう!
