転校生4回やりました
『 遠く遠く離れた町で 元気に暮らせているんだ。
大事なのは変わっていくこと 変わらずにいること 』
わたしが育った環境。
転勤族。入学した学校を卒業したのは中学校だけ。幼稚園、小学校、高校で通ったのは7つの学校。卒業した小学校に通ったのは6年生の1年間、志望校に合格したのにその高校に通ったのは1学期間。そんな感じの学校生活、入学した小学校を離れたときが一番寂しかった。
その寂しさを言葉にした記憶はないけれど、新しい土地でできた友達が手紙をくれた。そこに書いてあったのが、槇原敬之さんの「遠く遠く」の歌詞。
ちょうど、この曲が入っているアルバムが発売されたころだった。それからじわじわ知られ、セルフカバーされ、他のアーティストにもカバーされるようになったときには10年は経っていたように思う。今では彼の代表曲と言われるほど有名になった曲。
夢をかなえるために上京した槇原さんが故郷の友達を想って書いた私小説のような詞。彼の作る歌詞すべてに通じる魅力がこの曲にもあり、曲まるごとが1つのストーリーのようで、すべてがつながっている美しさがある。
12歳という年齢でこの歌詞の良さを感じ取り、手紙に書いて渡してくれた友達に出会たのは、引っ越しがあったから。その後も転校する度、さみしさのでっかい波がやってくるときに、この歌詞に何度も救われて、前を見ることができた。特に最後のフレーズは、曲を聴くというより声に出してつぶやいて自分に言い聞かせることもあった。自分が今もっていないものにフォーカスするよりも、今いる環境に合わせて楽しめることを見つける方が、人生は断然ハッピーなのだ。
大人になった今、留学や仕事などでの引っ越しは、軽く転校の回数を超えた。「出身どこ?」「実家どこ?」の質問に普通に県名だけ答えたら、やさしい気遣いによる相手のその県トークが始まる前に「あ、でも育った場所は色々あって、、、」と添えないと、話が面倒なことになる。
ホームがないから、ホームシックになりようがない、新しい道を覚えるのが得意、変化を恐れない。今では転勤族の家庭に生まれたメリットをいろいろ感じながら、生きている。
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