ミートソースはマムの味
久しぶりにミートソースを作った。同じ材料なので、肉オムレツの具も作り置きした。
どちらも、母に習ったレシピである。
いわゆる、お袋の味。
調理師でもあった母の作るものは、外れなしで全てが美味しかったけれど、これらにプラスしてトマトソースのロールキャベツが私にとってのTOP3。
思えば全部挽き肉料理。
今じゃ焼き肉もがんがん食べるけれど、子供の頃、私は肉が嫌いだった。挽き肉は好きだけれど、肉の形状が残っているものが食べられなかった。
家族で焼き肉屋さんに行く時は、鰻を出前してもらって一人で食べていた。
必然的に食卓に上る肉料理は挽き肉を使ったものが多くなったのだろう。
最後にお皿に残ったソースに白飯を足して〆ていたな。
母亡き後、同じように作ってはいるけれど、母のミートソースは作れない。当たり前のことだけれど、もう母のミートソースを食べることはできない。
最後の一口まで、子供時代と変わらず大きな口を開け、ずるずると食べるミートソースは、いつもせつない味がする。