ちまたで噂の自己啓発本よりためになる本とは
私は小説や実用書、専門書などあらゆるジャンルの本を読むのが好きで自己啓発本なんかもよく読むが、
こと自己啓発においてはどっかの偉い学者さんやなんとなく名前を知っている程度の人が書いた自己啓発本より、自分にとって身近な人が書いた体験談的な本のほうがよっぽど学びになると思った。
何故そう思ったのか
ついこの間読んだのは元プロ野球選手鳥谷敬さんが書いた本「明日、野球やめます」
私は家系が阪神ファンなので母のお腹にいるときから六甲おろしを聞いて育った人間だ。(たぶん私のどこかしらの血は黄色い🐯)
当然鳥谷さんがゴールデンルーキーと言われて鳴り物入りで阪神に入団した時のことも幼いながらに覚えていて、そこからおととし現役を引退するまでずっと見てきた。
もちろんいち阪神ファンなだけだから試合を見たり報道されるコメントを見たりするだけで、選手本人が本当のところどんな思いだったかなんて知ることはできなかった。
そんな胸の内、鳥谷敬の頭の中を覗けたのがこの本だ。
本には「〇〇年のこの時はこんな気持ちだった」とか、監督と選手の関係性、不満に思っていたことなどが赤裸々に語られていて鳥谷さんらしい内容になっている。
野球に詳しくない人ならよくわからない内容かもしれないが、
ずーっと見てきた私なら「〇〇年のこの試合」と言われればその時の映像が頭の中で即再生されるし、「〇〇年のこと」と鳥谷さんが語り出せば「あーこのときチームの雰囲気悪かったなー」とか「鳥谷さんこんな表情してたなー」などとすぐ思い出すことができる。
そうやって実例を挙げながら、あの時は実はこう思ってこう考えた、そこからこんな学びを得た、というふうに書いてくれているので、その鳥谷さんの実体験や記憶が細かいところまでわかる私にとってはとても解像度が高く、納得し、腑に落ちる部分が多かった。
体験談が良い理由
今まで読んでいた自己啓発本だと読んだその時は「おー!!」と感銘(?)を受けてワクワクしたりエンジンがかかったりするのだが、なんとなく表面的になぞっているだけでしっかり身に染みている感じではなかった。
でも今回は時間がたっても「あ、とりちゃんはこう切り替えていたな」などと思い出すことができてとても良い。
それは鳥谷さんの体験が近くに感じられることで、鳥谷さんと一緒に感情を動かしながら読むことができたからだと思う。
また私にとって興味のある人は私の周りにいる人にとっても興味のある人なことが多いので、今回の場合だと家族に「とりちゃんあの時こう思ってこう考えていたんだってー」と共有できるところがいい。
共有すれば自分の身に入っていることがわかるし、それを受けてまた人の意見を聞くことができて学びも拡がる。
というわけで、野球に限らずみなそれぞれ自分の好きな分野・趣味の中で凄い人の体験を読むことをおすすめする。
先に言ったように
自分が好きで詳しい分野だと想像力も共感力も飛躍的に増した状態で読めるから。
また、感情が動いていて初めて自分の中に残るもので、頭だけの理解や記憶はすぐ薄れていくものだから。
そしてどんな分野でも結果を出している人はだいたい根本的に同じような考え方をしていて、そしてそれはどんな世界においても通用するものだと思う。
だからこそ自分から遠い小難しい自己啓発本を読むより自分にとって身近な人の体験談の方がよっぽど身になると思った。
おためしあれ。