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【読書記録】『白ゆき姫殺人事件』
『白ゆき姫殺人事件』
湊かなえ著
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美容会社で働く美人女性社員・三木典子が山林で惨殺され、灯油を撒かれて焼かれてしまう。物語は、週刊誌の記者・赤星雄治が関係者に取材し、事件の疑わしい人物として、地味な印象の同僚・城野美姫をSNSや週刊誌で発信する。
ひとの噂話、SNSやメディアによって事件は、どんどんおかしな方向に展開していく。
物語の主題は何か?
SNSやマスコミは、けっこう恣意的に主張を展開していくもので、その元は、事件当事者周辺の人びとの証言ではあるのだけど、その証言自体、自分に都合が悪いことは隠されながらも、SNSやマスコミ報道の影響を受けてしまう。
まあ、偏った情報には何か裏があるということなのだろう。
人間には二面性があるわけで、そんな人間たちの集合体が現実の社会なのだと理解した。
神様はいると信じないと生きていけない社会だなあと改めて思わされた。
悲惨な殺人事件なのに、犯行動機は、かなり緩いのが、不自然には思ってしまったのだけど、そこが、恐ろしいところとも言える。