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【読書ノート】『僕が愛したすべての君へ』
『僕が愛したすべての君へ』
乙野四方字著
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人々は、パラレルワールド間を日常的に移動(パラレルシフト)していることが実証された世界の物語。主人公は、両親の離婚を経て母親と暮らすことを選択した高崎暦(たかさき・こよみ)。暦自身は『君を愛したひとりの僕へ』の暦なのだけどね。ある日クラスメートの瀧川和音(たきがわ・かずね)に声をかけられる。
本書は、暦と和音の恋愛物語。二人は、お互いが、不可抗力で、パラレルシフトする世界に生きているわけで、その辺の感覚はなかなか訳がわからないのだけど、二人の愛情は深く、降りかかる問題を跳ね除けていく。暦は、どのパラレルワールドにいる和音で合っても同じように愛するのだという。
その過程で、『君を愛したひとりの僕へ』の謎がいろいろ判明していく。
物語の主題は、暦と和音の深い愛。いくつものパラレルワールドがあっても、暦は和音を愛するのだということ。『君を愛したひとりの僕へ』を合わせて読むことが必須。
今を生きているというアイデンティティはどこから来るのだろう?
パラレルワールドに複数の自分がいると思うと、怖くもなる。