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【読書ノート】『レインツリーの国』
『レインツリーの国』
有川浩著
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ネットで出会った女性(ひとみ)は、聴覚障害者だった。
聴覚障害の女性が、恋愛になかなか積極的になれないなか、「俺」(伸)はどんどんひとみに惹かれていく。聴覚障害という一つのコンプレックスを抱えている女性が、どのように、恋愛する決意を固めるか?
物語の主題は何か?
自分は「普通」だと思いながらも、「普通」という漠然とした概念から自分は外れているという思いを持っている人は多くいるのではないかと思う。「普通」との違いを自覚しつつ、自分は「普通」の側の人間だと取り繕ってしまうものなのだと思う。そして、「普通」との違いは、しばしば、コンプレックスになっていたりする。
コンプレックスとどう向き合っていったらよいのかということなのだと思った。
物語の中では、聴覚障害のひとみが、髪を短くすることで、隠していた補聴器を表に出して、自分というものを曝け出す決意を固めるという物語。
自分はどうだろうと思った時、自分だったら、コンプレックスを曝け出したくはないと思ったのだった。むしろ、コンプレックスの分野では、勝負しないような生き方をしているように思う。
だいたい、ひとは、欠点みたいなものは必ずあるわけで、一方で、得意分野も必ずあるはず。得意分野の中で生きていくことが大事なのではないか?とか思ったりした。
恋愛感情で、その殻が破られたという物語ではあるのだけどね。
出逢うべきひとであれば、難聴も健聴も関係ないということなのだろうなあと思ったのだった。