
『円弧(アーク)』
『円弧(アーク)』
ケン・リュウ著
再読版
人類で初めて不老不死になった女性リーナの生涯の物語。
映画化もされているのだけど、映画は観てません。
16歳で子供を産んで、18歳で子供を捨てて、遺体を芸術的に保存する会社に勤めて、ひょんなことから、30歳で、永遠の命を得る。
様々な、分野の勉強をして、博士号をいくつも取得して、とにかく、見た目は30歳という何とも羨ましい世界。そうしているうちに、永遠の命を得ることが普及していく。
リーナは、何度か結婚するのだけど、最後の伴侶と出会って、その時代の常識に反して、135歳?くらいかな?で、自然に死ぬという選択をするという話。
限りある時間にこそ生きる意味が があるのだという話で終わるわけだけどね。
永遠の命は、時間の浪費でダメなものだろうか?と思った。
前にも何かで書いたと思うのだけど、人って、一般常識としては、人は死ぬものだということを理解しているのだけれど、自分が死ぬということは、なかなか、受け入れられるものではない。
自分の意識としては、「死」なんて来ないって思って日々を過ごしているわけで、、、
私が、体調を崩して入院した時でさえ、自分はまだ死なないと思って生きていたくらいだからね。
時間を浪費してしまっているのだろうなあと改めて思わされた。
古代ローマの哲学者にセネカの言葉で、
「人間は死を待っているだけではなく、死に向かって進んでいる。毎日が私たちの寿命から奪っていくのだ」
なかなか、そう意識して生きることはできないなあとつくづく思う。
不老不死の薬が出来たら、私は、喜んで生き続けたいと思ってしまったのだけど、どうだろう?
Stella JANG
Forever