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【読書ノート】『御伽の部屋』(『授乳』より)
『御伽の部屋』(『授乳』より)
村田沙耶香著
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村田沙耶香ワールド全開のシュールな物語。主人公の佐々木ゆきの幼少期と現在の中性的な男子との出逢いの物語。
「御伽の部屋」というタイトルは?
現実と非現実の境界や想像力の領域を表す。この言葉は、日常の枠組みを超えた空間や出来事を指し、人間の知識や認識の限界を超えるような領域を示唆する。
物語の主題は何か?
男女差別のない世界、男女平等の世界を真っ当に生きるということは、ノンセクシュアルとかバイセクシュアルみたいな考え方が、正解なのかもしれない。男女の性差が薄れつつあり、前近代的な性的な関係性は、順次フェードアウトしていく運命にあるべきだということなのだろう。
WHOによる性同一性障害の精神疾患からの除外は、多様性への理解を深める重要な一歩であるのだと思うのだけど、その先にはどんな未来が待っているのか、考えさせられる。