17才の遺書
あと数ヶ月ほどで、私の17才が終わってしまう。17才は特別だと思う。18歳の私には、価値がないと信じている。
17才は少女で、水色で、アイドルで、魔法使い。自由で、囚われていて、なんでもできて、未完成で、可能性の塊。
夢見すぎか、
17才が終わる。ずっと続けばいいと思っていた17才が、もうすぐ終わる。永遠なんて醜いけど、17才は、あまりに、短すぎるんじゃあないでしょうか。
なんてことを言っておいて、今日もツイッターに不平不満を書き殴っては、私を消費して生きている。
18歳になったらどうなっちゃうんだろ、18歳になりたくないな。
責任だとか、将来だとか、ふわふわとしたしがらみが、背中の羽にくっついてとれない。
私は今日も17才。
帰り道で見つけた自販機、ひんやり甘いセブンティーン。
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17才の空は、思っていたよりも黄昏の色だったな。17才って、思っていたより、軽くて、あっけなくて、あっという間。でも、17才は特別であり続けてくれたし、17才って人生で1度だなって思った。18歳は15才で経験した。
責任を背負う準備をするフリをして、空の飛び方を考える毎日だった。全部自分のせいには出来なくて、だからこそ、何でもするなら今だった。
人生で成し遂げたいことは全部、17才じゃなきゃ意味なかった。アイドルになるなら絶対17才。彼氏をつくるなら絶対17才。死ぬとしたら、絶対、17才。
何もかも、17才じゃなきゃ意味無い。17才じゃないから。
私の熱烈な偶像崇拝は覚めないまま桜が咲いた。
17才、17才、17才、17才
自由になりたかったのに、誰よりも縛られることにこだわっていたように思う。17才。
この先の人生は、誰のものなんだろう。私の魂を被った私ではない何かが生きる。さようなら。さようなら、みんなみんな、さようなら。