るのちゃんのしんぞう

るのちゃんの中の人。 絵と音楽がすきです。 マイナス思考

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最近の記事

夜と朝の境目があんなにも曖昧だなんて私知らなかった

    • 皐月の風は君の髪を揺らして

      空が青く青くなって、太陽の光が、世界の彩度を鮮明に映している。 バスの窓から見えた名前も知らない葉っぱたちが、ガラスのようにぴかぴかと光って薫風に遊ばれている。 君に出逢えたおかげで、好きになれた季節。 バスから降りればそこは知らない街で、全てが新鮮に映る。私の知らない街。私を知らない街。それなのに、知っている夕焼けが空を覆って、私を守っている。 ひとりぼっちだけど、ひとりぼっちだから、ひとりぼっちでも、 迷い込んだホテル街を逃げるように走り抜けた。辺りは薄暗くて、駅

      • 私は私じゃない私を生きているんだと思う。

        桜の降る卒業式なんて、つくりものだけの話で、実際は桜の木もまだ枝を剥き出しにしていた。 ピアス、染髪、お酒、タバコ 私は何一つ興味がなくて、大人になることの魅力がよく分からない。むしろこの制服をもう二度と着られないことも、肩書きに守られていた安心感から放り出されてしまうことも、惜しいと思う。 だからさ、17才でしんでいても、きっと私、後悔しなかったよ。 17才じゃなくなったら、17才で私の魂はしんで、私ではない別の魂が私の体を使って生きるの。 と、飽きるほど言ってい

        • 昔の話

          両親は、私を色んな場所に連れていってくれた。 学校の話は聞かれなきゃしない、しても先生の話ばかりで友達のことは全く話さない、家で勉強をしない。学校に行きたくないと泣いた朝は、さすがに母も困ったようだった。両親はきっと、そんな私の気を晴らすために、色んな場所に連れ出してくれた。 私がSNSに夢中になり始めた頃、スカイツリーに行った。私の頭はいつも悩みごとをつくるのに必死で、何があるでもなく胸のどこかがずっと、ずっと不安だった。 高い高い展望台で、ディズニーランドを見つけて、さ

          忘却

          一家心中のニュースに映っていたのは、ついさっき目の前を通って帰ってきた、見慣れた一軒家だった。あそこの家のお母さんとお子さんが、三角公園で遊んでいたのを、ついこの間見たのに。と、お母さんは呟いた。 夕ご飯のお味噌汁を飲み干して、お椀についたカマキリの卵のようなものに気がついた。割れた隙間から中を除くと、まだ成熟しきっていない胎児の手が見えて吐き気がした。そういう夢を見た。 夏祭りでの再会は望まないものだった。私はあなたに会えないのではなく会わないでいるだけだと、どうし

          昼の夕日

          まだ昼の3時だって言うのに、窓から差し込む光は今にも暮れてしまいそうな色をしていた。冬ってやつはどうしてこんなにも、せっかちなんだろうな。そんなに急がなくたって、いずれ夜は来るよ。願ってもないのにあっという間に、夜が来てしまう。待ってくれない癖に。 いつでも会いに行くよって、勝手な約束。守るために必死なんだ。もうすぐ会えなくなっちゃうからさ。眠れないんじゃなくて眠らないんだよ。夢で会えるかは分からないじゃない。少しでもあなたのことを考えていたいんだ。消えちゃう前にさ。

          はる なつ あきふゆ

           私、冬って好きじゃない。昼間が短いじゃない。もっと青い空を見ていたいもの。 そう言いながら月を指さして、見て、綺麗。と笑ったあなたを、今も思い出す。あの日のこと、覚えていますか。覚えてないか。14歳の頃のことだもの。 あなたは今も、あなたの優しさに傷つけられているのだろうか。いつだって、あなたの幸せを願っています。あなたが笑えない世界は、少しおかしい。あなたを見ていると、世界は優しい人から笑えなくなっていくようにできているんだと、そんなことを考えたりした。 私もあなたも、夏

          ごめんねいつも下手くそで。さようなら

          ごめんねいつも下手くそで。さようなら

          ようやく

          どこまでもついてくる月、流れの速い雲、音のなる葉っぱ、丸い地球 あの頃不思議に思っていたことが、何となくでそりゃそうじゃん。に変わっちゃったことを、たまに寂しく思ったりする。 裸足で走るほうが速いもん。 でもそれじゃいつか血まみれになって走れなくなってしまうこと、あの頃は知らなかった。 世界は今日も回っているってそれすらもいつか忘れる日が来る。星の見えない街で空を見上げるようになる。私が死んでも世界は回るって、そんなありきたりな言葉で何が救えるんだ。君が死んでしまっても、

          雑記 10月

          蜘蛛の巣から抜け出そうと羽をばたつかせる渡り廊下の蝶 長い廊下に広がる水槽の水の音 東棟4階の1番奥のトイレに使用禁止の張り紙を貼ったのは私。 誰にも邪魔されない秘密基地が欲しかったの。 私がまだ17才なら、許されていたことなのかな。どうしようもなく嘘つきで、ごめんね。 私を許してくれたあの日から、あなたはずっと特別で、でもあなたはきっと誰からも特別。私はあなたのなんなんだろう。あの子はあなたのなんなんだろう。2人お揃いの小さなふたつ結びを後ろから眺めていた。君のショート

          君は僕を嘘つきだと言った

          君の目に僕は、どう映っているだろうか。きっと大層、醜く見えるでしょう。僕は頑張れない。 他人の幸せよりも自分の幸せだけを考えた方が、生きることが楽しくなるなんて、誰も教えてくれなかった。誰かに嫌われるのが怖くて、瞬きさえも僕の罪だと怯える毎日が、途端に崩れて消えていく。もう、胸を張って、僕は正しい人間だ、とは言えない。罪悪感なしに笑うことも出来ない。痛みもなんにもわからなくなってしまって、あの日の僕を慰めることすら出来ない。けれど、それでも僕には、僕の明日を手放す勇気はな

          君は僕を嘘つきだと言った

          変わること

          未来をすきになった。眩しくて見えない。それでいい。果たして私は、私なのか。 あのね、ママ、今日も明日も明後日も、お弁当はいらない。夏祭りの日が来たら、起こしてね。 傷つく側の人間でよかった。優しさで損をする人間でよかった。嘘をつけない人間でよかった。飽きるほど唱えた。私は、嘘つきかな。 2人で博物館に行ったこと、美しかったなあと思い出すのは、私だけですか。美術館も博物館も、本当に興味があったのかは、正直わかりません。でも、あなたと行くということに、大きな価値があった

          蝶よ花よと育てられても、私は蝶にも花にもならない

          かわいいは無限だ。人それぞれのかわいいがあって、大事に大事に秘めてみたり、世界に見て欲しかったり、かわいいとの付き合い方は、人の数だけある。 私にとって、かわいいってなんだろう。 私にとって、かわいいって、なに。 私のためのかわいいに、いつの間にか首を絞められて苦しい。 飾れば飾るほど自分が醜く見えちゃって、かわいいの魔法は呪いに変わった。私が1番、とか、誰よりも、とか全部どうでも良くて、ただ私のかわいいで私が幸せになりたいだけだったのに。 かわいくない。私、かわいくない

          蝶よ花よと育てられても、私は蝶にも花にもならない

          17年

          少女であるということが、私にとってどれだけ重要か 「少女であるということ」が、何より大事なのだ。まるで使命のように、私はそう信じて生きてきた。 少女であるということが、私が許されてきた理由だと思うから、 少女ではなくなっていくこの命に、なんの価値があるだろう。少女でなくなるいつかを、私はどう生きるのだろう。生きていたってしょうがないのに、のうのうと、なんとなく、生きるのは嫌だな。 朝起きて、外に出て、疲れて眠る。他人の人生を眺めるような気分だ。そうだ、そういうことに

          日記 2023.6

          6.21 希死念慮は夏の季語なのだろうか。 ここ数週間、自分とは思えないほどに愉快な気持ちで日々を送っていた。6年ほど背負ってきた死にたみが吹っ飛んでしまうほどに私はカラッと元気になって、別人になったような気分だった。別人だったのかな。 何に夢中になっても、いつも死にたみが邪魔をする。諦めて一緒に生きていくしかないんだと思ってた。それなのに、いつの間にか、生きるとか死ぬとか、何年もぐるぐると考えていたことはすうっと消えて、見えなくなった。多分、見なくなった。もう、諦めるこ

          17才の遺書

          あと数ヶ月ほどで、私の17才が終わってしまう。17才は特別だと思う。18歳の私には、価値がないと信じている。 17才は少女で、水色で、アイドルで、魔法使い。自由で、囚われていて、なんでもできて、未完成で、可能性の塊。 夢見すぎか、 17才が終わる。ずっと続けばいいと思っていた17才が、もうすぐ終わる。永遠なんて醜いけど、17才は、あまりに、短すぎるんじゃあないでしょうか。 なんてことを言っておいて、今日もツイッターに不平不満を書き殴っては、私を消費して生きている。 18