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仕事におけるモチベーションの誤解

【はじめに】

 上司は部下のマネジメントの一環として「モチベーションを高めなければならない」
と考えている上司は意外と多いと感じます。
一見するととても正論であり、正しいと認識してしまいがちな部分でもあります。

しかし果たして正しい認識と言えるのでしょうか。

【仕事におけるモチベーションとは】

 結論から言うとそもそも仕事におけるモチベーション(動機付け・やる気)は「他人から与えられるものではない」と私は考えています。

 一つ例を挙げるとするならば、指示待ちの部下をイメージして下さい。
「上司が部下へモチベーション(やる気)を与え高めなければならない」という組織風土の職場には多くの指示待ち部下が生み出されるリスクがあります。
なぜなら、上司の仕事や役割=部下のモチベーションを高めることと解釈してしまうからです。
そのような職員が多ければ「仕事もやる気も上司が与えるべきもの」という考えの職員で溢れかえり、瞬く間に組織全体にマイナスの影響を及ぼします。
 そして最悪の結果、上司から仕事を任された場合に少しでも納得のできない業務内容に対して「なぜ私がこの仕事をしなければならないのですか。この仕事は上司であるあなたの仕事ですよね」というような批判的かつ拒否の反応が当然の職場になってしまいます。
上記のような反応に陥る理由は単純です。
指示待ち部下からすると、モチベーションを高めることが上司の仕事であるにも関わらず、モチベーションが下がる仕事を任せてきた上司は“上司としての役割=モチベーションを高める”を果たせていないという理由からです。
このような状況に陥るとコミュニケーションすらまともに取れず、上司と部下の関係性は悪化の一途を辿り、組織としても良い方向へ進む事は困難になります。


【上司はあくまで支援者】

 とはいえ、私自身他者との関わりの中から自身のモチベーション(やる気)が高まる事は否定はしません。
仕事における全てのモチベーションの源泉を「他人から与えられるもの」と認識することは問題だという事です。
モチベーションの源泉はあくまで自分の内側から湧き上がり生み出されるもの。

上司の役割は、部下に寄り添い、悩みや課題等に真摯に向き合い新たな気づきを共有すること。
部下自身から湧き上がるモチベーション(内発的な動機)に対してあくまで支援を行う役割です。
つまり、前提として上司の役割は”部下自身のモチベーションありき”で成り立つものという事ができます。


【最後に】

 部下のモチベーションを高めることに固執する上司の真意には、
純粋に「仕事を楽しいと思って欲しいから」「成長して欲しいから」という愛情のようなものもあるかもしれません。
勿論、その感情は大切にしながら、時には見守るという姿勢も必要だと思います。
言葉で言うのは簡単ですが、実際に行うとなるととても難しいのも事実です。
 だからこそ改めて自身の定義する「上司の役割」について振り返りつつ、
部下が大切にしている想いや価値観を共に探求し、時に部下に対する想いを馳せる時間も必要なのではないでしょうか。
 そして上司のそのような姿勢こそが部下のモチベーションを高める唯一の方法と言えるのかもしれません。


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