2020年に読んだ本の感想
読んだ本の数:147冊
読んだページ数:35340ページ
西村賢太 人もいない春
2020/01/02
再読。
風邪の貫多を秋恵が看病する話が感動してしまった。
麻婆豆腐を食わせる話なんか不条理だよな。
子どもの頃の写真を見たからと言えばよかったのに。
アルバイトの話は、悲しいな。まあ貫多が悪いんだけどさ。
中場利一 どつきどづかれ―岸和田ケンカ青春記
2020/01/07
ウィキペディアにはエッセイとあったが、いつもの岸和田少年愚連隊の長編小説だった。
タイトル通り、どついてどづかれての繰り返し。
相手がヤクザでも何人いても逃げずやられて、その後必ず仕返しするところが尊敬を通り越して呆れる。
一日で読んだ。最高でした。
中場利一 岸和田少年愚連隊 不死鳥篇 カオルちゃーん!!
2020/01/09
二章に分かれた岸和田少年愚連隊新作。
相変わらず登場人物のほとんどがどのつく悲惨な暮らしだが、それを感じさせず笑わせる内容なのが素晴らしい。
しかしカオルちゃんの来世が小麦粉って。
とにかく笑えてスカッとして最高です。
岩井志麻子 現代百物語 悪夢
怖い掌編が99本。
2020/01/10
かなりのんびり時間をかけて読んだ。72話がおっそろしい。
行方不明者を探す番組にかかってくる電話の話。
心を病んだ系の話はぞわぞわするね。
心霊系より人が怖い系のほうが好きだなぁ。
あと94話のネットで噛みつくも怖い。普通の人として生活してるんだろうか。
石丸元章 SPEED スピード
2020/01/14
ドラッグ乱用の取材をしていたら自分もジャンキーになってしまったというノンフィクション。
こういうものにハマる時期ってあるよね。
途中まで覚せい剤でハイになってサイコー! という内容だが、終盤でおかしくなっていく。
中島らも氏が「脳内で作るか外部から入れるかの違いだけ」と言っていたのを思い出した。
読みやすい文章で勢いがあって素晴らしい。ドラッグのメジャーどころは抑えられている。
摂取すればどうなるのか、それが切れたらどうなるのかまで詳しく描かれており勉強になった。
森達也 フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ: 増補新版世界を信じるためのメソッド
2020/01/15
過去作の増補版だから仕方ないが、八割は氏のほかの本に書いてあることの繰り返しだった。なので第5章だけ読めばいいかもしれない。あとはまあ、森達也入門書として使えるね。
西村賢太 苦役列車
2020/01/17
若き日の北町貫多シリーズを読むとつらくて涙が出てくるのは、単純に僕が年をとったからなのか、日雇い派遣を転々としていた昔を思い出すからなのか、普通の人になれない自分の現状に投影しているからなのか。
日下部との出会いで普通を得た貫多が、結局自分に普通の暮らしは無理だと気づいたときの絶望は読んでいて苦しいものがあった。
仕事中に事故を起こしてもなんの保証もない生活。
次はぎっくり腰で弱気になった40代の貫多が、古書店で見つけた昔の文芸評論家に自分の姿を投影するというもの。
どちらも悲しい。
池上彰 池上彰の世界の見方 朝鮮半島: 日本はどう付き合うべきか
2020/01/19
知らないことだらけでとても勉強になった。
韓国と北朝鮮の出来上がりから現在に至るまでわかりやく書かれている。
韓国が30年前まで軍事独裁政権だったことすら知らなかったわ。朝鮮戦争についても全然知らない。
なにも知らなかったことが知れてよかった。忘れないように定期的に読まないとね。
ほかの本も読んでみよう。
中東とか、知らないことだらけ!
西村賢太 二度はゆけぬ町の地図
2020/01/20
再読。
17歳の貫多の初めて出来た彼女との一件、バイト先で起こした暴力事件で留置場勾留される話、当たり前のように家賃を滞納する話、二度遭遇した男女の腋臭の話。
彼女とのゴタゴタは滑稽で切なくてたまらなかったし。留置場なんて入ったこともないので読み物として面白かった。
家賃の滞納は、1.2万円ですら用意出来ず怒った家主の孫娘を強姦して三度中出ししてやると怒りに震えたところは笑えた。
腋臭は切なくて悲しい。
とても感動しました。
池波正太郎 剣客商売 五 白い鬼
2020/01/23
女だけを狙う連続殺人犯は恐ろしいな。
大治郎と三冬の関係がにやにやしてたまらない。
雨避け小兵衛は、剣客が平和な世界で生きる難しさを実感したね。大治郎の成長と小兵衛の老いを感じた巻でした。
出てくる料理も相変わらず美味そうでお腹が空く。
三冬の縁談では普段とは違う大治郎が見れてよかった。
遊女に金を預かった話はミステリで面白かった。
「間ちがっていましたなら、腹を切ればすむことでございます」には痺れた。
西村賢太 形影相弔・歪んだ忌日
2020/01/23
再読。
形影相弔の古書の入札は心理ゲームだな。
青痣は「おまえも、こう見えてやっぱり、パンツとかは汚れるんだね」で笑った。そんなこと言ってやるなよ。
膣の復讐、これほど効果的な復讐ってないよな。
感傷凌轢、母が無心してきたら300万までは出すという貫多の優しさ。
跼蹐の門、完成度の高さに惚れ惚れした。明日8000円入るから今晩は優雅に過ごす気持ち、とてもよくわかる。将来の不安。
歪んだ忌日、知りもしない興味もない作家の忌日を、芥川賞作家が開いてるからとわざわざ問い合わせして参加する野次馬根性が気持ち悪い。
池上彰 日本の戦後を知るための12人 池上彰の〈夜間授業〉
2020/02/01
興味のある人のところだけ読んだが、面白かった。
知らない話ばかりだな。ほかも読んで勉強しないと。
山本太郎 #あなたを幸せにしたいんだ 山本太郎とれいわ新選組
2020/02/08
候補者の主張がくわしく知れてよかった。興味深く読みました。
岩井志麻子 現代百物語 殺意
2020/02/11
安定して面白い。どの話も怖くて面白い。
第79話が特に印象的だな。次も読もう。
岩井志麻子 現代百物語 彼岸
2020/02/19
相変わらずよくできてるし面白いし怖い。
第61話、62話、63話がたまらない。やはり人間が怖い系の話が好きだ。
鈴木呂亜 都怪ノ奇録
2020/02/23
アンリミだから読んだけど、金を払うレベルじゃないな。
序盤はよかったけど、それ以降は読むに耐えないネットのコピペ。
阿澄思惟 忌録: document X
2020/02/24
第一話の怖さは凄まじかったが、第二話は退屈。第三話なんて読めたもんじゃない。第四話はモキュメンタリーとしてよく出来てる。
動画もブログも用意して、ここまでよくやったよなぁ。
昔、放送禁止を深夜に観たのを思い出す。
こういう系ほかにないかな。
岩井志麻子 現代百物語 因果
2020/02/28
定期的に、ネットで理想で固めた別人格を作り演じている人の話が出るが、SNSを見るたびに思い出してぞわぞわする。SNSってなにかをやった気になるから余計に。
相変わらずの内容で、もうすぐシリーズ読破してしまうのが悲しい。
ほかの実話怪談はなんか違うんだよなぁ。(平山夢明除く)
福田ますみ でっちあげ
2020/03/01
これホラー小説だな。めちゃくちゃ恐ろしい。浅川夫婦の狂気と教師への理不尽な仕打ちに読むのが止まんない。
マイケルの児童虐待裁判を思い出す。
夫婦のでっちあげに加担して教師をこき下ろした記者が実名で書かれており、爽快だ。
思考停止でなにもかも鵜呑みにして脅迫状や嫌がらせの電話をしちゃう頭の悪い人たち、どうにかならんかね。
食事中も読むほどのめりこんだ。
親は本気でこの稚拙で幼稚な設定で行けると思っていたのかね?
こんな親のでっちあげにつきあわされた子どもも可哀想だよ。
気づいたら読み終わってた。素晴らしい。
高橋源一郎 誰にも相談できません みんなのなやみ ぼくのこたえ
2020/03/04
なかなかヘヴィーな質問が多く、それに真摯に優しくたまに厳しく回答しているのがとてもいい。
例の結婚のやつも収録されている。
質問の内容に自分を当てはめ、尊敬する作家の高橋源一郎氏の回答に勇気づけられ、暖かい気持ちになれる。とてもよい本。
爆笑問題 爆笑問題の日本史原論グレート
2020/03/06
漫才というより説明。それに解説もついてるから、漫才という形式でやる必要性がない気がする。
ジョージ・オーウェル 一九八四年〔新訳版〕
2020/03/07
開始早々、テレスクリーン思考警察二分間憎悪とすごくわくわくした。とてつもない管理社会。主人公の仕事もいいね。過去の書類の書き換え。
しかし物語が始まらず延々とつまらない描写が続き、第一部が終わる。
第二部でようやく始まったかと思いきや、ゴールドスタインの本の内容が書かれたところがつまらなすぎて読むのをやめた。
数日後そこから読み直した。驚きの展開で第三部が始まった。そして結末は……
岩井志麻子 現代百物語 不実
2020/03/08
いやー、相変わらず面白い。時間を忘れて読み耽った。次でラストなのがとても寂しい。
宮本輝 新装版 命の器
2020/03/11
二十歳の火影を読んですぐに購入し半分ほど読んで放置していた。
久しぶりに再開してみると止まらなくなってしまった。おかげでウォーキングをさぼってしまった。
そのときと今ではなにかが違ったんだろう。宮本輝の文章は優しさで溢れている、そんな気がした。
白石昇 泰国パパイヤ削り: --あこがれのスーパースターと一緒に仕事する方法--
2020/03/14
本文で日本のビートたけしと例えられるほどタイで有名な人の著作を、日本人である著者が翻訳し本にするまでの流れ。これが勢いがあってとんでもなく面白い。
ここまで行動力があるから結果を残せたんだろうな。
物語としての面白さもあり、一気に読んでしまった。99円だし。ほかの本も本も読んでみるか。
村上春樹 螢・納屋を焼く・その他の短編
2020/03/15
再読。
十年前はめくらやなぎがつまらなかったと感想していたが、まったく同じだな。
蛍、納屋を焼く、踊る小人はよかった。あとはつまらん。
全体的になんのこっちゃわからなかったのも変わらず。
ジョージ・A・ロメロ,ジョナサン・メイベリー NIGHTS OF THE LIVING DEAD ナイツ・オブ・ザ・リビングデッド 死者の章
2020/03/17
ロメロゾンビのオマージュアンソロジー。
スーという名のデッドガールがとてもよい。いい発想だな。
安楽死と軌道消滅、乱杭歯、灼熱の日々もよかった。
ゾンビはネタの宝庫だね。死ぬかどうかではなく、いつ死ぬか。
岩井志麻子 現代百物語 終焉
2020/03/26
大好きなシリーズだったけど、もうネタ切れだな。
夢で見た、関連性はわからない、気のせいかも、よくわからない、こういう話が多すぎる。
怖くもなんとも思わない。印象に残った話もない。
終わりは悲しいけど、これじゃあもう無理だよな。新シリーズに期待。
西村賢太 夢魔去りぬ
2020/03/31
まったく内容を覚えてないと思ったら、単行本自体が未読だった。
下水に流した感傷、夢魔去りぬ、痴者の食卓、畜生の反省、微笑崩壊がよかった。
新川が出てくる話が好きだ。本人に怒られたって書いてたね。
いつもの秋恵の抜けた発言が笑える。「普段はフェミニズムのフの字もない人なのに」
室井佑月 この国は、変われないの?
2020/04/02
途中で読むのをやめた。
書かれていることは、ニュース記事に対する感想でしかない。
それについて深く考えるわけでもこちらが考えさせられるわけでもなく、感想と安倍政権への文句ばかり。
室井佑月の政治信条には基本的に同意するしメディアでの感情的な発言も好きだが、この本はなんの意味もない、役にも立たないものだった。
それ自体も2014年から2019年までとネタが古い。
表紙が小田原ドラゴンなのがよかった。
西村賢太 随筆集 一私小説書きの独語
2020/04/05
再読。
後半の雑誌等への文章の寄せ集めは正直どうでもいいが、前半の著者の若い頃の随筆は読む価値がある。
未完なのが悲しいが、私小説との違いなどが書かれておりとてもよい。
樋口毅宏 ドルフィン・ソングを救え!
2020/04/08
半分近くは結末への道づくり。が、そこがとんでもなく楽しい。小ネタの宝庫。
主人公が音楽ライターになったところが笑える。バンドの未来がわかるともてはやされる。
後半は非モテ四十路女の妄想。憧れのミュージシャン(イケメン、天才、童貞)と寝るシーンが詳細で、樋口毅宏お得意の下品なエロが続いて笑える。
「彼の特別なバナナは、すでにだらしなく甘い蜜を塗っていた」
相変わらずのパロディの多さで楽しめた。オチも素晴らしい。
ところで、これを小沢健二はどう思ってるんだろう。
ジョージ・A・ロメロ,ジョナサン・メイベリー NIGHTS OF THE LIVING DEAD ナイツ・オブ・ザ・リビングデッド 生者の章
2020/04/11
その翌日、たまらんな。動物園の一日が一番好きだ。発見されたノートの意外さもよい。孤高のガンマンは序盤はよかったけど。現場からの中継、設定がよいね。一番好きかも。死線を超えてはゾンビのサーカス。いいねぇ。
ヴァラエティ豊かでどの短篇もとても楽しめた。第二弾、出ないかなぁ。
西村賢太 小銭をかぞえる
2020/04/12
再読。
焼却炉行き赤ん坊、ホラー小説じゃないか。そしてラストが素晴らしい。感動しました。
「うるさいわね、あんたの豚顔よりよっぽどマシだわよっ」
小銭をかぞえる、苦役列車の日下部が再登場。秋恵の惨めな姿が自分と重なり、切ないオチに。
やるせない気持ちになるなぁ。ため息が漏れる。
「卵巣を蹴り上げるぞ」
松久淳 走る奴なんて馬鹿だと思ってた
2020/04/14
序盤は面白かったが、あとはもう、どこを走ったの羅列で読むのがだるくなって半分でギブ。
中島らも 中島らもの特選明るい悩み相談室 その2 ニッポンの常識篇
2020/04/18
悩み相談ではなく大喜利だな。わらえて笑えて仕方ない。隠れ関西人最高。3巻も楽しみ。
北野武 時効
2020/04/22
北野武が、ラジオ、お金、車、ゴルフ、アメリカ、受験、コンピューター、老いについて語っている。
いやー、読み始めたら止まらなくなっちゃった。
ラジオ、お金、車、アメリカが面白い。
「人よりも球打つのがうまい奴が、畑で一生懸命とうもろこし作ってる奴の何百倍も稼ぐアメリカは怪しい」
西村賢太 無銭横町
2020/04/23
再読。
菰を被りて夏を待つ、田中英光にのめり込む様が狂気的でよい。肉筆原稿38万は凄いなぁ。
邪煙の充ちゆく、貫多が秋恵を気遣い蛍族に。落ちがよい。
朧夜、締切に追われた貫多が桜を見て思う。これだけで一編できるからすごい。
酒と酒の合間に、T袋S太郎の自伝の解説を書く中で少年時代を回想する。父親の話もっと書いてほしい。
貫多、激怒す、面白い。小説を書きながら解説する。
無銭横丁、普段の煙草が買えずバットにする。金を得るための電車賃もない、僕も昔あった。
一日、受賞を師に願う。
金子みすゞ 金子みすゞ名詩集
2020/04/28
別になにも感じなかったな。序盤の有名なのはよかったけど。
鈴木光司 タイド
2020/04/30
読者を馬鹿にするのも大概にしろ。こんなひどい本、久しぶりに読んだ。
つまらん新設定とひたすら続く説明、そして舐め腐った落ち。小説として終わってる。
エスは読まない。三部作(とバースデー)の感動がぶち壊しだ。酷すぎる。悲しくなったわ。
フィフィ 日本人に知ってほしいイスラムのこと
2020/05/03
とても面白かった。
イスラム教のルールに理由があって、どれも納得できるものだった。男尊女卑だとかテロや紛争のイメージが間違ったものだとわかってよかった。
どの宗教でも、長い間支持されるってのはちゃんと理由があるんだね。
悪いイメージを持っていたのを反省したい。イスラム≠テロがわかってよかった。
教義を都合よく解釈して暴力を正当化するって、宗教あるあるなのかなぁ。
西村賢太 どうで死ぬ身の一踊り
2020/05/03
再読。
墓前生活、西村賢太の藤澤清造への思いは凄まじい。気狂い的だ。そこまで傾倒できるものがあるって幸せだよな。
どうで死ぬ身の人踊り、藤澤清造からスタートし、女に暴力をふるい、出ていった女のパンツでオナニーをし、「なら見てろ、今、シラフで貴様をぶっ殺してやるから」「寂しきゃ、あたしのパンツで変なことしてもいいって言うのかよっ! あんたバカじゃないのっ」
一夜、相変わらずの空回り。私も女も、この後の展開を予測しあっているってのが悲しすぎる。(今はまだ、手離せねえ)
渋川紀秀 恐怖実話 狂葬
2020/05/07
とてもよかった。人の怖さがよく出ている短編集。僕の好みの系統で楽しく読んだ。
心霊よりも人間の狂気のほうがゾクゾクするんだよな。
どれもオチが決まっていていいなぁ。
地元と住んでいるところの怪談が出たのがなぜか嬉しかった。
西村賢太 棺に跨がる
2020/05/07
再読。連作短編集。
思い不穏な空気が前編にわたる。棺に跨がる、どうでの続き。肋骨を折っておいて反応が悪いことに腹を立てて女を買いに行く。この先には破滅しかない。
脳中の冥路、「もう殆ど通用しなくなってきた」が切ないね。この二人の行く末は破滅。
豚の鮮血、険悪になった原因であるカレーを手作り振る舞う荒治療を行う。もうどうしようもない。どうにもならない。「下のおクチと上のおクチ」
破鏡前夜、続き。未練の手コキリクエスト。覚悟を決めた女は強い。
ままごと同棲のカレーから続いた連作、とても素晴らしいものだった。感謝。
渋川紀秀 恐怖実話 狂禍
2020/05/09
あれ、どうした? 前作より大幅スケールダウンだな。まったく怖くないしつまらない。出来の悪い与太話をいくつ並べられたところでなにも面白くない。三冊目は読まないわ。こりゃ駄目だね。
星新一 きまぐれロボット
2020/05/10
サクッと読めて面白い。感服いたしました。
ネコ、花とひみつが好き。あーん。あーん。は怖くていいね。
山口敏太郎 恐怖呪い姫~実話狂気怪談
2020/05/10
恐怖、怪談とあるが、全編大爆笑の短編集。
作者とちょっとアレな人の心温まる交流の物語。
オカマの工藤静香とドリル女とフォークを使う男がお気に入り。
こんなに笑ったのも久しぶり。すごく気に入った。他の本も読んでみよう。
山口敏太郎 秘・テレビでは言えなかった! 山口敏太郎の怖すぎる都市伝説
2020/05/10
い姫で読んだ話が結構あったと思ったら、新装版なのね。
逝ってしまった男が最高だった。呪い面も凄いね。ぷりん♪の話は感動した。
村上春樹,糸井重里 夢で会いましょう
2020/05/16
糸井重里の掌編は面白くない。かといって村上春樹の掌編も面白くない。
なにも考えずなんとなくぼけっと読んでたが、あまりにつまらないので残り30頁は読まずに閉じた。
わざわざ金を出して読むもんでもないと思うし、読み返すこともないだろうということがわかってよかった。
岩井志麻子 忌まわ昔
2020/05/18
今昔物語に実際にあった事件を当てはめた短編集。
人間の気持ち悪さがよく出ていてとても面白い。
一発目が長岡京ワラビ取り事件。読むのが止まらずずっと読んでいた。
被害者には申し訳ないが、未解決事件って面白いよね。
あと氏の描く誇大妄想狂が大好き。羅城門は素晴らしかった。
早く第二弾を読みたい! そして元ネタを知りたい。
さくらももこ のほほん絵日記
2020/05/29
息子のエピソード、相変わらずいいなぁ。
「にっかぐりのサレ」に笑いが止まらなくなった。
「ママが子供のころボクはどこにいたの?」
「ばか」とらくがきしてあった。電車の運転。「町って誰が作ったの」あっという間に読んでしまった。もう新作は読めないんだよなぁ……。
竹内久美子 遺伝子が解く! 男の指のひみつ
2020/05/31
竹内久美子は初読み。
「男のマスターベーションとは、古い精子を追い出し、発射最前列を新しくて生きのいい精子に置き換える作業」
なぜハイヒールを履くのか。不良がなぜモテるのか。自殺、ハゲ、つわりの理由、男の子が車飛行機を好きな理由、姑が嫁をいじめる理由、知的好奇心が満たされる。
ただ、同じ解説が何度も入るのは辟易する。
中島らも 中島らもの特選明るい悩み相談室 その3 ニッポンの未来篇
2020/06/01
いやー、相変わらず楽しいね。人生相談というより大喜利。
よくもまあこんなことを十年も続けたなぁ。凄いですよ。
平山夢明 東京伝説―ゆがんだ街の怖い話
2020/06/04
文字だけで痛くて気持ち悪くて最悪な気分にさせる作家もなかなかいないよな。安定した面白さ。
よくわからない描写が多いのも相変わらずだが。展開とオチが同じものも多い。
終の店、顔を割るかが気に入った。
西村賢太 小説にすがりつきたい夜もある
2020/06/04
再読。
小学生のときにいとこの美人姉妹と入浴した際裸を見て勃起したのを報告される。
過去作の裏話や藤澤清造愛、過去のエロ話。数百冊溜まったエロ雑誌の処分に悩む。
読み応えたっぷりの随筆集。
桐生操 本当に恐ろしい 殺人鬼の世界史
2020/06/06
初読み。めちゃくちゃ面白くてびっくりした。
知らない話ばかりで、それがどれもフィクションにしか思えない。
被害者の数が800だの2000だの桁が狂ってる。読み始めたら止まらなくなった。
愛娘のために男を殺すのは悲しいなぁ。
中島らも ロバに耳打ち
2020/06/08
再読。中島らものエッセイは本当に自由だよな。
鬱陶しいことや嫌なことを忘れせてくれる。でも読み終わると寂しい気持ちになる。
なにをどう望んだところで新作が読めないということに。
鈴木光司 エス
2020/06/09
三章までが下積み。つまり本の三分の二が残り三分の一のための道づくりで、四章からようやく物語が進む。それまでが退屈というわけではなく、いくつもの謎が並行して進むので先が気になって仕方ない。
変化する自殺動画の謎を解明する流れが、リングで貞子の呪いを解明する流れを思い出した。が、謎のまま終わったことが多すぎる。
早く新村編を読ませてくれ。
長江俊和 検索禁止
2020/06/13
知っている話しかなく、最初から最後まで退屈だった。
放送禁止シリーズが大好きなので期待していたが、がっかり。
村上春樹 村上朝日堂
2020/06/13
再読。春樹のエッセイっていいよね。なんの役にも立たないけど面白い。
エッセイが面白いってなかなかないんだよな。説教臭くもなく、気取ることもなく、日常のあれこれについて。
蟻について、豆腐について、ビーフ・カツレツについて。
安西水丸の絵も素晴らしい。小学生の落書きみたいでとてもいい。
関係ないけど早く電子化してくださいね。
安倍晋三 新しい国へ 美しい国へ 完全版
2020/06/13
ある作家が政治家の本を読めば政治家の言いたいことすべてがわかると言っていたので読んでみた。
戦後日本の復興を忘れられないんだね。そして今の日本もそうなることを望んでいる。
拉致問題に最初にメスを入れたのは私だと書いてあるが、拉致問題を利用して政権を継続させているわけだし、なんだかなあ。
内容もないしなにが言いたいのかわからないし、本として価値がない。
「恥知らず」の一言。
筒井康隆 玄笑地帯
2020/06/14
改行なしの言いたい放題のエッセイ。
内容が自由な上に文章が心地よい。流れるような文章ってこういうものをいうんだろうな。
でも後半は飽きてしまった。
遠藤周作 眠れぬ夜に読む本
2020/06/16
年寄りの愚痴なんだけど、それが面白いんだな。
70代で20代女性と結婚した話、芸能人について騙された話は笑いが止まらなかった。
しかし、眠れぬ夜に読んではいけない。先が読みたくて眠れなくなるから。
アウシュヴィッツの話は、沈んだ。酔っ払いの話、わかるなぁ。去年読んだ本見た映画の内容を覚えてないので新鮮。ボケのおかげ。
捉え方だよね。好奇心は失いたくないね。
太田光 ヒレハレ草
2020/06/19
コラム、エッセイだが寓話要素があり掌編のような読み応え、といういつもの太田光本。
1999年のものだが古く感じさせないのはさすがだなと。
太田光代 爆笑問題・太田光と私 奥さまは社長
2020/06/19
自分のインタビュー記事を数年後に振り替えるというのがいいね。
太田光がエロサイト見てたアイドルと肩が触れたで大激怒。新婚のときソーププレイをした。
微笑ましい夫婦だなぁと思う。田中とのインタビューが最高でした。
石井光太 「鬼畜」の家: わが子を殺す親たち
2020/06/25
やるせない。虐待のノンフィクションを読むたびに、どうすればいいんだろうと考える。もちろん僕にいい案なんか出るわけがない。
単純に虐待し殺したから悪、というわけでもないんだな。もちろん本人が一番悪いが、親の問題も大きい。
厚木市は妻が野放しなのは納得行かない。下田市なんて最初から最後まで理解不能だった。
不特定多数とやるのはいいが、なぜ避妊しないのか。ケージは親だろうな。
共通してるのは計画性のなさ。あと親がよくない。連鎖するんだろう。
高橋源一郎 学びのきほん 「読む」って、どんなこと?
2020/06/25
いつもの文章読本。どれもいいけど、2、4、5時間目は特におすすめです。
武田泰淳の審判は積読しているので崩そうと思う。
しかし分量が少なすぎる。それだけがマイナス。もっと読みたかった。
さくらももこ またたび
2020/06/26
さくらももこ批判の一つに、金持ちアピールというものがあるが、これなんてまさにそうだろう。
取材で海外に行って爆買いする。が、嫌味がないから面白い。
徹底的にネタにする姿勢はやはり素晴らしいなと。父ヒロシとの会話は相変わらずほのぼのしていていいね。
西村賢太 暗渠の宿
2020/06/26
再読。
けがれなき酒のへど、ソープ嬢に惚れた挙げ句騙されて大金を毟り取られる。読んでいて、男ってなんでこうなんだろうと悲しい気持ちになった。なぜ恋人ができないのかという自問自答。
たまに出る、預けた大金を勝手に使う古書店店主もいいキャラしてるよな。
暗渠の宿、同棲を始める。変化してゆく女の様子からの疑心暗鬼と自問自答、恋人の前の彼氏への嫉妬、藤澤清造、そして破滅を予感させるラスト。お見事です。一気に読んでしまった。
西村賢太 廃疾かかえて
2020/06/28
再読。
廃疾かかえて、秋恵の人の良さは底知らずだな。まあ、貫多と同棲してるぐらいだからな。
酒を煽らないとなにもできない貫多と金を返さない相手の食事代も出す秋恵。似たもの同士だ。
瘡瘢旅行、性犯罪者の息子に「一種の性犯罪者だよ」はつらい。
藤澤清造本を得るために二人で岐阜旅行。完全に冷めた女性って恐ろしい。
膿汁の流れ、秋恵に隠れてのオナニー。祖母の話でホロリとさせて、オチがそれかよ!
今井亮一 裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録
2020/06/28
興味深い事件が多くとても楽しんで読めた。
面白い事件があれば高速バスにも乗るってなかなかできることじゃないな。
雨宮処凛 酒と泪と政治と子猫
2020/06/29
あっという間に読めてしまった。
内容はまあ古いものだが、東日本大震災後のコラムが読めてよかった。
週刊金曜日ってなかなかよさげな人が連載してるのね。
中場利一 バラガキ 土方歳三青春譜
2020/07/01
幕末ものでおすすめだからと読んでみた。
中場利一の土方歳三なのでもちろんチンピラだ。で、それがまた合ってる。
土方と沖田の会話がいちいち格好いい。常にピリッとしてる土方と、普段は陽気で決めるときは決める沖田。
岸和田のような弱さを出さずひたすら格好よさだけを注油しているような。それがまた読んでいて痺れる。
芹沢と土方の対立も面白い。
読んでいてこんなに楽しく思ったのも久しぶりだわ。
森達也 神さまってなに?
2020/07/02
三大宗教の解説本。これがまた知らないことばかりで読み物としてとてもよい。
森達也の本は読者と同じ目線だから好きだ。
ブッダもキリストもムハンマドも、その生涯は物語としてとても面白い。
仏教がタイやその他と日本で違う理由がわかった。共通点も結構多いね。
やっぱり宗教って面白いな。それが中東の問題に繋がるわけだし。
特定の宗教を信じる気は皆無だけど、面白い。A3また読みたくなった。
室井佑月 子作り爆裂伝
2020/07/06
女性はすごい。子どもを生むだけですごい。それ以外でも、気を遣って時間をかけて金をかけて。絶対にやりたくない。だからすごい。男は出すだけだもんなぁ。
感想は「すごい」の一言に尽きるわ。でも、愛する女性にこんな苦行、やってもらいたくないなぁ……。
足立紳 それでも俺は、妻としたい
2020/07/06
登場人物全員イカれてる。話の展開もぶっ飛んでる。だからめちゃくちゃ面白い。読み始めたら止まらなくなってしまった。
年収50万の常に妻に罵倒されている男が、妻とセックスする話。
なんだかんだで愛があるんだな。
同窓会なんか出ないし帰省しても地元の人間とは会わないけど、好きだった子の改悪は見てみたいかも。本を読んでることすら忘れるほど熱中しました。
遠藤周作 周作塾
2020/07/10
蓄財12の法則は笑った。運については唸った。遠
藤周作のためにならない講座塾という設定だが、ためになることもいくつかありメモをとった。
でも基本的に同じようなことを同じ熱意で述べているため、終盤飽きてしまった。
坂本敏夫 元刑務官が明かす死刑のすべて
2020/07/10
びっくりするぐらいつまらないので半分ほどで読むのをやめた。
井川楊枝 封印されたアダルトビデオ
2020/07/13
知らない話が多くとても楽しめた。
マゾの磔、自衛隊、露出、障害者まではゆるい笑い。肉だるまは夜中読むのが恐ろしくなった。でも、いかに本物の殺戮に見えるかというのは、トーチャーポルノの基本。
カニバリズムや猟奇や障害者など、目的や意図があるものは頭では理解できる。挑戦者であるというのもわかる。
最後のバッキー事件。普段はまともだが拷問AVが受けて、ひどいことをやればやるほど褒められる現場に。女優だけなにも知らずに撮影し破壊する。出てきたらまた似たようなことをやるのかねぇ。
狂気に走るさまを詳しく知りたくなった。
村上春樹 村上朝日堂の逆襲
2020/07/15
再読。前作よりパワーダウンって感じかなぁ。途中でもういいやっていうのもあった。
村上春樹 村上T 僕の愛したTシャツたち
2020/07/15
面白かった。Tシャツコレクションの紹介エッセイ。何歳になってもTシャツは着たいなぁと思った。バンドTいいよね。
高橋源一郎 大人にはわからない日本文学史
2020/07/18
既視感あるとおもったら去年読んでた。樋口一葉と綿矢りさの比較。綿矢りさってそんなにすごい作家だったのか。ラストの私小説、よかった。本を読んでみようと思う。
池上彰 おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?
2020/07/24
いやー、いいね。わかりやすい解説。知らないことばかりで勉強になった。
井上ひさし 日本語教室
2020/07/27
とても感動した。日本語がどうなっているのか、日本語はどう作られたのか、日本語はどう話されてるのか。薄い本だがとても充実しており必要なことはちゃんと書いてある。
講義のまとめなのでとてもわかりやすいし、いろんな人に読んでもらいたい本。
なるほどお!と何度思ったか。日本語の奥深さがよくわかった。使い分けや選択を無意識でやってるんだな。初井上ひさしだったが、ほかも読んでみよう。
遠藤周作 ウスバかげろう日記:狐狸庵ぶらぶら節
2020/08/03
庭で読書しながらうつらうつらし、息子を嘆き、若者の乱れに嘆き、教室に通って学んだ覚えたての英語を外国人に披露し、ダンスを習い、テレビで三浦朱門に一度も顔を洗ったことがないと言われ、突然禁煙を始め、すぐにやめる。麻のごとく乱れておる。
とても面白かった。
森達也 放送禁止歌
2020/08/05
なぎら健壱の「言葉に罪はない。使う人の意識の問題」が印象的。
第一章で、放送禁止歌などないという展開は某SF小説的。
部落解放同盟に乗り込み穢多非人というワードを出す。
僕は授業でもほぼスルーだったので部落問題はタブー中のタブーだというぐらいしかわからないが、手に汗握る。
スイカ割りが中止はさすがに笑う。
第三章、アメリカの放送禁止歌。
合間のデーブ・スペクターと森達也のジョークがよい。
第四章は竹田の子守唄を追い西へ。そしていつもの自問自答。考えないとね。
平山夢明 こめかみ草紙 串刺し
2020/08/06
嫌な気分になるいい掌編がたくさん。が、終盤に近づくにつれパターン化してつまんなくなっていった。まあでも印象に残る掌編もかなりあったので面白かったです。
相変わらず意味不明な文章がちらほらありますな。数行で終わる切れ味のいい話、いいなぁ。
樋口毅宏 タモリ論
2020/08/09
論じゃなくてタモリについての思い出だな。それで一冊書けちゃう樋口毅宏はやっぱいいね。
こんなほんにまじになっちゃってどうするの、だな。
古市憲寿 絶望の国の幸福な若者たち
2020/08/14
とんでもなく面白かった。膨大な資料をもとに組み立てていく。
若者という言葉の起原から現在の若者について、若者は不幸なのか幸せなのか、日本人のナショナリズム、右翼左翼に行く若者たち、3.11への若者の対応。諦めが人を幸せにするという一文が印象的。
保守系への皮肉が効いていて笑ってしまう。
ムーとWILLを「似たようなものか」って。
単行本の注釈に文庫化で新たに注釈をつけアップデートしているが、とんでもない作業だね。
古市憲寿 だから日本はズレている
2020/08/17
クール・ジャパンの章がいいね。日本と韓国の自国文化の発信力を比較しクール・ジャパンを批判する。憲法改正案がJ-POPだと指摘する。小室哲哉の引用が相変わらずノリノリなのは読んで楽しいね。
スマート家電への皮肉も効いてるなぁ。良い監視と悪い監視があるってのは納得。
ダウンシフターズなんてものがあるのね。でも確かにわかるなぁ。
2040年の予想、笑い話で終わるかどうか。笑いのセンスあるよなぁ本当に。
村上春樹,柴田元幸 翻訳夜話
2020/08/20
「一方に歴史的な名訳があり、時代に合った新しい訳が同時にあり、でいいんじゃないかと。それが一般的な読者に対する親切だと僕は思うんです。」
翻訳に対しての質問に答える。言語化しにくいことを述べていてそれがとても面白い。
西村賢太 下手に居丈高
2020/08/21
再読。
酒や煙草と同じで、読書は趣味ではないという一文になるほどなと。
やはり西村賢太のエッセイは面白いね。読んでも読まなくてもいいエッセイこそがエッセイなんだよな。
ペットボトルを尿瓶にしている話が何度か続くのには笑ってしまった。
古市憲寿 誰の味方でもありません
2020/08/26
結婚しないことは進化である。
反日のニュースに反応するのは反韓の人々。お節介は不寛容に転移する。
来世の話と嫌いな人はサンプルと思えが個人的に心に残り、考えが楽になった。コラムであり書評でもある。とても楽しい本だった。
村上春樹 猫を棄てる 父親について語るとき
2020/08/31
著者の父がバターンかレイテに行っていたら、村上春樹は生まれず当然この本も存在せず僕は別の作家に夢中になっていたってことか。
なんだかよくわからなくなってくるね。
僕が存在しているのも、祖父母や曽祖父母が戦争を生き延びたからなんだよな。
池上彰 池上彰と考える仏教って何ですか?
2020/08/31
仏教の成り立ちの解説。これがまた面白い。
インドでなぜITが発展したのか。葬式仏教になった理由。なぜカルトや新興宗教にハマってしまうのか。
第二章のダライ・ラマとの対談はとても興味深く読んだ。焼身自殺についてや日本の現状について。仏教について知らないことばかりで、自分の中でのイメージも変わった。
仏教が自分に一番しっくりくる感じがあるなぁ。
川端康成 雪国
2020/09/02
初川端康成。無駄のない文章に感嘆ですな。
「そしてまた三味線を拾い上げると、右足を折ったままずらせて、そのふくらはぎに三味線の胴を載せ、腰は左に崩しながら、体は右に傾けて、」という一文が完璧すぎて凄まじい。
内容は男女がぐだぐだやってるだけでクソつまんないし退屈だし途中で完全に飽きたけど、短いから読んだ。長けりゃ読んでない。自分の頑張りを褒めてあげたいね。
読了日:09月02日
古市憲寿 保育園義務教育化
2020/09/02
虐待も、親が悪いという単純なものではないんだなぁ。と、知っていることも多く書かれていたが、なぜ理解しているのに社会は変わらないのかを考えないといけないなぁ。
「児童虐待を防止するためには、まずお母さん自身をケアしてあげることが大切なのだ。」
後半の著者お得意のデータをもとにした昔と今の若者の比較は笑えた。5年経っても改善はないね。
さくらももこ 憧れのまほうつかい
2020/09/03
クソつまんねえ。
太田光,中沢新一 憲法九条を世界遺産に
2020/09/04
読書の最中にいろいろ考え始めて本を読んでいることを忘れてしまう読書が一番素晴らしいと思う。
太田光の理想主義的なところが僕は昔から好きだ。この頃からネットの誹謗中傷に言及している。
イラク人質事件は当時高校生だったが、国は守ってくれないのかと絶望した。
「価値があるのは、日本人が曲がりなりにも、いろんな拡大解釈をしながらも、この平和憲法を維持してきたことです」
中島らも 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町
2020/09/06
再再読。笑いが止まらん。やっぱり中島らものエッセイはいいなぁ。笑わせてくれる。
長生きしてほしかったなぁ。
あと、灘高校時代で一本長編書いてほしかった。
僕も現実逃避型のドランカーでした。
有名な「生きていてよかったと思う夜がある。あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。」は何度読んでも涙が出る。
しなきゃいけないのにできないつらさ、よくわかるな。
年を取るたびに後半のシリアスな内容が胸に刺さる。何度読んでも新しい発見がある。
太田光 天下御免の向こう見ず
2020/09/07
太田のオヤジが30代前半の頃のエッセイ。エッセイの合間に、相変わらずの寓話SF掌編が入る。
エッセイの途中でSF化したり夢オチがあったり飽きさせない。あっという間に読んでしまった。
「私生活が破天荒でなくても、いいものは創れる」
太田光,中沢新一 憲法九条の「損」と「得」
2020/09/08
太田光が中沢新一に思うことをぶつけた前作とは異なり、中沢新一の演説に太田光がちょこちょこ喋るだけ。
また中沢新一の演説がつまらない上に同じことの繰り返しで、太田光も大したことを言っていない。
相手が太田光である必要性がない。前作はとてもよく記憶に残ることばもあったが、これは読むだけ時間の無駄だった。
太田光 三三七拍子
2020/09/10
尊敬する島崎藤村に縁のある旅館に一人で行って撮った写真、切なすぎて涙が出た。
3年間友達がおらず読書して、それが芸人になってから生きてるんだな。
エッセイは面白いが妄想話はどうでもいいな。
「今、インターネット上には、夜中に書いたラブレターが溢れているのではないだろうか。剥き出しの感情。剥き出しの言葉。」
山極 寿一,太田 光 「言葉」が暴走する時代の処世術
2020/09/13
芸人と人類学者の対談。まったく異なる分野の二人が話すのはとても面白い。
リアルの世界のバーチャル化、というのに納得。
が、半分で飽きた。別の対談で出た話題の重複が目立つ。
「ネットで行われている議論は、あくまでも理屈の勝負でお互いに証拠を突きつけあって、どっちの勝ちみたいな話にしかならない」
爆笑問題 爆笑問題の日本原論2
2020/09/13
懐かしい事件ばかり。二人のかけあいが面白かった。いろいろ考えずただ笑えるっていいよなぁ。
高橋源一郎 たのしい知識 ぼくらの天皇(憲法)・汝の隣人・コロナの時代
2020/09/18
日本国憲法とその他の国の憲法の比較。
韓国・朝鮮。感染症。憲法や韓国や朝鮮、感染症についてなにも知らなかったことが知れてよかった。これから知っていきたい。
もちろん源ちゃんは答えは書かない。自分で考えて知っていくことが大切なんだよな。
感染症が第一次大戦を終わらせ、第二次大戦を引き起こしたと。
過去の感染症時の生活行動が今と同じでとても面白いなぁ。読みたい本も多い。2冊目も楽しみ。
爆笑問題 爆笑問題の日本原論〈3〉世界激動編
2020/09/18
面白かった。気づけば9.11から20年経ったのね。
ラリー遠田 M-1戦国史
2020/09/20
読んでいるとM-1が観たくなりプライムで久しぶりに観直した。すると読書ができなくなったので途中で止めて観た。
M-1ができるまで、それぞれの年度の解説、吉本有利、やらせはあるか、そして2010年の終了。
その後の結成15周年に枠が広がったM-1についても読んでみたいな。
鈴木智彦 潜入ルポ ヤクザの修羅場
2020/09/23
殺し屋1のヤクザマンションにモデルがあったとは。ヤクザ専門誌の世界がめちゃくちゃ面白い。
そこから愚連隊の加納貢へ。著者の創作で作られた像が広がり、小説にまでなると。
続いては賭博場の話から西成へ。飛田とあいりん地区は予想以上のとんでもなさで笑ってしまう。
著者もめちゃくちゃ。取材のためにここまでやるか。とんでもないわ。だから臨場感があり夢中になって読んだ。
岩井志麻子 業苦 忌まわ昔(弐)
2020/09/25
相変わらずの面白さ。
ただ面白すぎるせいで本編に入り込んでしまって、今昔物語の内容を忘れてしまう。
元ネタ、いくつかはわかったけど、どれも最高だった。
岩井志麻子 東京のオカヤマ人
2020/09/27
岩井志麻子の本は好きだがこれはつまらん。半分でやめ。
爆笑問題偽装狂時代―爆笑問題の日本原論〈5〉
2020/09/28
いやー面白かった。一気読み。覚えている事件ばかり。
蓮池透 奪還―引き裂かれた二十四年
2020/10/01
「無法国家と無能国家。二つの国と闘わなければ、弟は帰ってこない」という言葉が重い。
百万人の署名を集めても動かないどころか北朝鮮に大量に米を送り続ける政府。
北朝鮮の人道支援を訴えながら拉致問題は障害だという政治家やメディア。
SNSがあればまた変わったんだろうな。この本が出たのが2003年。解決どころか進んですらいない。
石井妙子 女帝 小池百合子
2020/10/06
コネ入学でアラビア語を使えずまともに通学もせず進学もできなかったのが、難解なアラビア語を使いカイロ大学を主席で卒業、という物語に変わる流れには震えた。
物語を作るのがが上手い。嘘の経歴を作り他人を利用する。前半の成り上がりは読んでいて楽しいが、中盤から恐ろしく。
拉致被害者やアスベスト被害者への酷い仕打ち。学ぶことを嫌い見せることを好む。中身がない。でもとんでもなく上手い。
都知事選でのあざ披露は思わず声が出た。女を売りにするのをやめ、おばさんを味方につける。
小池百合子は無能だが天才だ。傑作でした。ありがとう。
北中正和 ロック史
2020/10/07
大人のロック嫌いは、黒人差別から来ていると。ロックの誕生から詳しく流れが見れてとても楽しかった。
歴史は続いていて、先人の影響を受けて新しいものが生まれる。新たなジャンル新たなグループが出てくるには流れがあり世界情勢の変化もある。
昔はよかった的なのもなく、タイトル通りのロック史となっている。参考音源リストが素晴らしい。
これだけ欲しいぐらい。ただ、中盤から飛ばしすぎ。
ナイツ ナイツ午前九時の時事漫才
2020/10/09
幸せな時間だった。笑わせてもらった。
5年後、第二弾が読めるのを愉しみにします。
松本麗華 止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記
2020/10/11
いいお父さんだな。「アリさんも生きてる」と教えたのが印象的。
母は今風に言えば毒親か。
松本サリン事件を起こしたあとに阪神淡路大震災に物資を運ぶ。
森達也のAでもあったが、マスコミや警察のオウムへなら違法行為をしても構わないっていうのが恐ろしい。
学校にも行けずオウムのお飾りだった子どもの頃。教団内での政治。大学からの入学拒否。9年ぶりの父親との再開。拘禁反応で壊れてしまった。
いろいろ読んだけど、詐病認定して治療もしなかったのは納得がいかない。
八章だけでも読んでほしい。死刑囚の後悔の言葉と被害者の言葉は正直泣けた。
ビートたけし 「さみしさ」の研究
2020/10/14
政治から教育から斬りまくって気持ちがいいね。ちゃんと自分も落とすから安心して読んでいられる。
たけしの本は暇つぶしに最高。
ビートたけし テレビじゃ言えない
2020/10/17
なんか既視感あるなぁと思って読み終えたら、去年読んでた。暇つぶしになりました。
ビートたけし 芸人と影
2020/10/19
「努力が報われる可能性は限りなく低い。だけど、努力しなきゃ絶対に報われない」
基本的にどの本も同じことしか言ってない。
石田衣良 獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXVI
2020/10/19
相変わらず面白いしよくできてる。流行りをすぐに取り入れて短編にしてしまう。だからキャラクターは奥行きがなくて記号的で演じてる感があるんだけど、そういう小説なのでそこをどうこう言うのはナンセンスだね。時代小説なんだから。
次はぶつかり男らしいね。早く新刊が読みたい。また池袋西口公園に行くかな。
タピオカ、ラブホ、バースデーコール詐欺、虐待愛好家サークル。獣たちのコロシアムは読むのが疲れたしかなりキツかった。フィクションでも虐待は胸に来るね。
久しぶりにサルが出たのがよかった。
ビートたけし 間抜けの構造
2020/10/22
これはちょっととんでもない本かもしれない。
間について、という内容なんだけど面白すぎる。司会者の間とか映画の間なんて、こんなの公開しちゃっていいのかね。
芸能人が占いにハマる理由には納得した。
平山夢明 東京伝説―死に逝く街の恐い話
2020/10/23
相変わらず文章は下手でよくわからない描写も多いが、内容は素晴らしい。読み始めると止まらなくなって困った。目的がわからない話は最高だよな。
芋けんぴ、たっちゃん、カンダタらーめん、善意、ウェス、頭皮愛、ポルシェ、ベンツな名簿、ツァラトゥストラ、怪我がお気に入り。「大塚か蒲田」って。
しかし著者もいい加減に電子化を認めればいいのにな。手に入りにくくて困るよ。
平山夢明 東京伝説 閉ざされた街の怖い話
2020/10/26
相変わらずたまんない。少し読んで寝るつもりが眠れなくなってしまった。
記録、リペア、かもふらーじゅ、おすそわけ、紅い塩辛、メールしながら音楽を聴いてⅠ、Ⅱ、黒飴、不可思議、おまけがお気に入り。黒飴は途中で読むのをやめたくなった。
不可思議とかおまけみたいな数行で終わる話はいいよね。
中島らも とらちゃん的日常
2020/10/26
猫ちゃんの飼育日記かと思ったら、マジックマッシュルーム体験記が始まって笑ってしまった。
高級餌を与える大家さんからとらちゃんを奪い返す。猫とエッセイ。可愛いね。
まあちょっと物足りない。
平山夢明 東京伝説 冥れる街の怖い話
2020/10/28
幽霊より人の怖さのほうが好きなので、このシリーズは本当にたまんない。
優子六号、傷屋、キムチおやじ、コンビーフ式、牛乳風呂、林檎の絵、たまご屋のおじさん、ドア引き、おせっかい、埋めジャンがお気に入り。ぶっかけご飯はトラウマになりそう。
気持ち悪くて食欲もなくなった。刑事に「運がいい」と言われるパターン多いね。
平山夢明 東京伝説 堕ちた街の怖い話
2020/10/30
紳士、削減、なんでも屋、山の自販機、おふくろの味、メスモウ、カンナがお気に入り。
玉葱女は悲しいねえ。夜の訪い 二題と売女 二題はたまんないね。幽霊の怖い話は好きじゃないので、このシリーズ大好きです。
平山夢明 東京伝説―うごめく街の怖い話
2020/10/31
リモコン、東京プリティ・ウーマン、ネックレス、親切、宅配のこと、祟り場、サイコごっこ、終末ラーメン、圏外、代償、野次馬、内職、がお気に入り。家庭教師がたまんないね。
エンスト、コンビニ、婚約者、立ち読み、野外は映像化してほしい。アンケート、タトゥー、事故、食べてはいけないは星新一の掌編的な爽快感があった。
1位は廃墟かヒメバンかビー玉かフラスコかな。はー疲れた。
平山夢明 日々狂々、怪談日和。―「超」怖ドキミオン
2020/11/03
前立腺が凍るほどの寒さっていいなぁ。
鍵がない、焼蜜柑、携帯メール、店主軽薄、神に選ばれた国、樹海の人、虎口からの脱出、手旗の人、ふんふんピヨピヨ、真ん中娘、ひとりでぽつんと掘ってみた、がお気に入り。
ま、本にならないレベルのものを集めただけで内容はつまらないので読む価値はないと思う。中盤で飽きたし。
絵が2005年の本に「オレオレ詐欺」というワードがあって驚いた。
平山夢明 隣人悪夢―怖い人〈2〉
2020/11/03
東京伝説と同じく、人間が怖い系。タイトル通り怖い人の話。怖くて夜に読んでいると窓やドアが気になってしまった。
動物愛護、罠、ごちそいさま、緊急連絡、満員電車、昔の男、約束、夜道、手紙、腐臭、ホタル族、アルバム、美しすぎるから、まゆみ、ゴージャス愛、トイレがお気に入り。
微調整のような選ばせる話好きだなぁ。ドキドキしたしオチは予想を超えて。
平山夢明 東京伝説―彷徨う街の怖い話
2020/11/05
スプリンクラー、すごい人、通知、シューカツ、額か歯か、No.4、厭な臭い、融合、永遠キッス、RPG、XX、二度死んだ男、シャワーノズル、イタ電がお気に入り。
しかしラーメン屋はネタの宝庫だな。いってもどってくるは読んでいて尻穴がむずむずした。
棺はぜひ実写化してもらいたい。
平山夢明 他人事
2020/11/08
外れなしの短篇集。全部最高だった。
倅解体、よくできた短篇。わかった瞬間気持ちいい。
たったひとくちで、「膝の皿にドリルで細かく穴を開けて」膝がむずむず。
おふくろと歯車、どうしようもない状態の切なさ。
恐怖症召還、このあとの逃避行を長編にしてほしい。
伝書猫、こう来たか!
れざれはおそろしい、書き込みと日誌だけでここまで恐ろしくする力に感服。
クレイジーハニー、大好きな設定。
人間失格、……。
平山夢明 怖い人 1
2020/11/15
思い出? 思い出なの?、バス停、油泥、ジャム、だくしょん、四つめ、追っかけ、東京のおかあさん、がお気に入り。
パターンがわかってきた。
青木の弁当、復讐ババみたいな悲しい話はつらいね。田代、今日はよくできてる。
平山夢明 ゆるしてはいけない
2020/11/19
デパート、リバウンダー、エコー、別れの時、がお気に入り。キレないカレはお見事。家族ハイク、AYU?は悲しいね。
設定を変えただけの話、結末が同じ話が結構ある。男が女にふられて狂気に走る系とかさ。
写真がB級ホラー的でとてもいいね。
平山夢明 異常快楽殺人
2020/11/21
超有名な殺人鬼を描いたウィキペディア的なものだと思っていたが、そんなライトなもんじゃあない。
殺人鬼の生い立ち、家族、時代背景、殺人の模様を詳しく調べられている。殺人に至るまで、なぜそうなってしまったのか考えさせられる。
生い立ちだの戦争だのは殺人の言い訳にはならないし皆が皆そうなるわけでもないが、同情する。
自分が犯罪者になってないのは、たんに運がよかっただけのこと。感謝しないと。
素晴らしい本でした。ありがとう。
平山夢明 恐怖の構造
2020/11/24
思っていたより面白かった。
ホラー映画や小説を噛み砕いて、なぜ怖いのかについて考える。恐怖と不安ってのには納得。
ホラー小説の書き方的なところはとくに面白い。精神科医との対談もよかった。
平山夢明 デブを捨てに
2020/11/26
文章に無駄が多すぎる上に笑わせにかかってるのが途中で面倒くさくなったが、まあそれがやりたいんだろう。恐怖と笑いはなんとやら。それでもまあ一気に読んでしまったのはさすがだなと。
よくまあこんな発想が思いつくわなという短篇集。近い将来読み返すんだろうな。
爆笑問題 日と米―爆笑問題の日本史原論
2020/11/29
面白かった。大田のボケに笑いつつ、ブックガイドをメモりつつ。
漫才はあっさりだが、こんなところだろう。
西村賢太 寒灯
2020/12/08
再読。
陰雲晴れぬ、「マンコはくさい、か……ふむ、違えねえ」同棲してすぐに貫多の本性が顕になってしまった。
肩先に花の香りを残す人、「てめえなんざくににけえって、百姓の親父と毎日健康ランドにでも通ってろい!」臭いで喧嘩をする。切ないなぁ。健気な秋ちゃんだ。
寒灯、よくできてるな。結局そうなってしまうのかという諦めがよく出てる。オチへの流れが完璧。
腐泥の果実、泣かせにかかってるな。ちょっときた。僕も土下座して謝りたい人がいる。申し訳なさでいっぱいだ。
西村賢太 芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影
2020/12/10
再読。
芝公園六角堂跡、J.I氏のコンサートから藤澤清造の終焉地での自問自答。自身の現状は没後弟子と胸を張れるのか。
終われなかった夜の彼方で、生活に支障が出るほど藤澤清造に金を使うことが没後弟子としての喜び。
深更の巡礼、自作執筆の欲を抱えての田中英光傑作選のゲラ直し。タイトル通りの巡礼者だ。
十二月に泣く、連作の最後。4作で一つの長篇だな。
特別面白いわけでもなかったが、ファンなら読んでおくべき一冊だろう。
西村賢太の心の奥に触れた気がした。
創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち
面白い本や映画を面白く紹介するってなかなかできることじゃない。それだけで価値がある。しかし悪童日記からの3部作のネタバレを読んでしまったので、これから読む本のページは読み飛ばした。読んだあとに読もうと思う。ジャンルを作ってヒットさせてコナミといろいろあって独立してデスストも成功させて、すごいクリエイターだよな。
読了日:12月12日 著者:小島 秀夫
村上春樹 約束された場所で (underground2)
2020/12/25
再読。すごい本だな。
「「ものすごく悪いこと」とものすごく良いこと」の激しいぶつかりあいがあるんです。」
「世の中のシステムに受け入れられない人(略)たちがオウムに入ってきている」
最初の3人はある程度肯定的だが4人目は拷問、人体実験でかなりひどい。
セックスを迫られて電気ショックで2年間の記憶を失った女性。
みんなオウムの良い点悪い点の間で悩んでいるという印象。
「もうどこにも行けないという立場に追い込んでおいてから、命令を与えるんです」
「みんな自分に実害のない誰かを罰するというのは大好きなんです」
高橋源一郎 間違いだらけの文章教室
2020/12/17
毎度のパターンで、文章の紹介のあと一緒に考えるスタイル。
授業を聞いているようで楽しい。内容もとてもわかりやすい。
遺書や餓死日記のようなつらい文章から呆けた作家の文章、ジョブズの講演、書かない文章、労働日記、相変わらず一緒に考えるスタイルな授業なので楽しいね。終盤はよくわかんなくなったけど。
経験は貨幣、なるほどね。
遠藤周作 死について考える
2020/12/18
呆けは神がくれた恩恵。ホスピスの話が印象的。
キリスト教と仏教では死に方の捉え方が違うという。
「痛いから痛いということは他人を不幸にしたり、傷つけたりしているわけではない」
「苦しくて祈れませんも神との対話ですから祈りです」
カトリックが自殺を認めない理由は「苦しく醜いものでも大事に守るのが愛」と。
神が沈黙しているように見えるのは「別世界の言葉を私達が理解できないからでは」
ずっと話を聞いていたい。
三浦綾子 新約聖書入門―心の糧を求める人へ
2020/12/24
家系図の一覧でうわってなったのでこれを読み始めた。
疑問だった奇蹟についてもいい答えをもらった。
しかしイエスの発言はどれも心に残るね。びしばし胸に刺さるわ。
聖書のわかりづらい文を抜き出しての解説がとてもわかりやすい。また読み返したい。
旧約聖書のほうも買ってみよう。
「神は見てる」って言われたら、悪口も言う気がなくなるね。
三浦綾子のほかの本も読んでみよう。
高橋源一郎ジェイムズ・ジョイスを読んだ猫
2020/12/27
途中で飽きた。
朝日新聞取材班 相模原障害者殺傷事件
2020/12/28
植松聖の生い立ちから詳しく描かれている。
陰謀論を信じ「世界平和や日本のために重度障害者を抹殺する」とか無茶苦茶だ。
被害者母親の手記「家の娘は甲でも乙でもなく美帆です」は涙が出た。
被害者家族のことばは胸に刺さり読むのがつらい。
しかし植松聖の思想は浅い上に幼稚だな。
もっと深いものかと思っていたのでがっかり。陰謀論と思い込みと大麻。
論理が破綻していることに気づかないふりのままなんだろうね。
事件を起こさずこの思想を本にすればよかったのに。
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