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書評 ぼくは散歩と雑学がすき 植草甚一

植草甚一は、だいぶ昔に1冊読んだことがある。何を読んだのかが失念してしまったが、自分の好きなこと以外は書かないというスタンスで、ポップだなという印象を持った。中森明夫は、「ライターズライター」と評したが、今回改めて植草の著作を読むと、さらにその印象を強くした。

同書は、植草が読んだ洋書をベースにした書評で、60年代後半に書かれたものが収録されている。2001年に閉店した銀座のイエナ洋書店で購入した洋書を紹介していくという行だけでも、アマゾンでkindleにダウンロードという現在とは違うのだな、と当時の雰囲気を味わえるが、洋書を読み進めながら、現地の米国の黒人運動や学園紛争から、海外芸能人のインタビューといったサブカルチャーの記事を、自らの感想を交えつつ、軽妙ながらも詳細に語っているのが、同書全般に流れる特長である。

植草といえば、ジャズ、映画、文学と幅広く著作を書いている。もし、現在も生きていて、ブログをやっていたら、どのようになっていたのか。そんな想像も働いた次第である。

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