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【v0・GAS・GoogleサイトでWebアプリ開発!④プロンプトづくりのコツ】ーGoogleサイトで作るグループウェア(205)ー

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①プロンプトづくりについて

 みなさんこんにちは。
 前回に引き続き、v0・GAS・GoogleサイトでWebアプリ開発!を進めていきますが、v0が大幅にバージョンアップしたため、現在安定稼働の確認中です。
 そのため、今回は、プロンプトづくりのコツについてお話をします。

 さて、プロンプトについて、世間一般的に有名なものに、「深津式プロンプト」があります。

 この本は、ChatGPT用ですが、内容的には初心者にも非常にわかりやすく書かれていて、他のAIにもそのまま応用できます。
 また、ネット上でばら撒かれている情報商材のような「一発ポン出しプロンプト」の解説本ではありませんので、おすすめです。

 そもそもAI
とは、人間のひとつひとつの言葉に反応するプログラムが、複雑に組み合わさって出来ているアプリで、つねにあなたからの「言葉」をつかって確率的に回答を作っています。
 深津氏に言わせると、生成AIは、「確率で続きを書く機械」ということになります。
 さて、深津式プロンプトの解説は本を購入して見ていただければわかるのでここでは解説しませんが、それとは別に、私なりに生成AIと対話しながら発見したプロンプトづくりの考え方について述べてみます。

②テンパレーチャ(温度)について

 生成AIを使ってチャットボットなどを作る時に、必ず出てくる設定がテンパレーチャ(温度)です。
 Google AI Studioの説明では、Creativity allowed in the responses(回答に創造性をもたせる)となっています。(ここでは0-2の間で平均は1)
 そのため、この値を調整することで、AIに創造性を持たせたり、抑制したりすることができるわけです。

テンパレーチャ

 では、この値をAIアプリを作った後に直接変更できるかというと、基本的にはできません。
 ただし
後付けで間接的にテンパレーチャを上げたり、下げたりするプロンプトを作ることは可能なのです。

 たとえば、創造性を高めるプロンプトを使うと、デザインセンスがすごく良くなります。ただし、プログラム作成に必要な論理性は弱まり、バグやエラーが多発します。
 逆に創造性を抑制すると、論理性が高まりプログラムのバグやエラーは少なくなりますが、デザインはチープになり、言われたこと以外全くやらなくなります。
 
よく、ネットで〇〇生成AI:デザイン向き、〇〇生成AI:文書要約向きなどが書かれているものを見ますが、そもそも、それらのAIがテンパレーチャを高くしたり低くしたり設定して出荷されているのです。(もちろん学習データの違いがあるのはデフォなのですが)

 
つまり、デザインとコーディングを両方使うWebアプリを、AIコーディングで作るような場合には、「創造性を高めるプロンプト文は何か」、「創造性を抑制するプロンプト文は何か」を知っておく必要があるわけです。
 これは、創造性のアクセルとブレーキの関係になり、最近では、これをAIの右脳と左脳というように表現しているものもあります。

 v0でのAIコーディングの例を示すと、「修正は最小限にして」「イベントリスナーをチェックしてください。」「ゆっくりと順を追って考えてくれますか?」は、創造性が抑制され、コーディングが正確になり、チェックをさせ、思考時間を長くとらせることで、バグやエラーが極端に減ります。
 逆に、これらのプロンプトが入っていないと、創造性がある程度高いままでバグやエラーがでてしまいますが、デザインセンスは良くなります。
 そして、深津式プロンプトでも紹介
されていますが、「このアプリは60点です。100点満点になるように改善してくださいませんか?」は、創造性が解放され、アプリを大きく改良してくれます。ただし、バグやエラーも出やすくなります。

③命令形と依頼形のちがい

 多くの方々のプロンプトを拝見していると、文章が、命令形(〜〇〇してください)と依頼形(〜〇〇してくれますか?)の2つの種類があることに気づきます。(深津式プロンプトは基本的に命令形が多いです)
 それでは、この2つのプロンプトは、どのような違いがあるのでしょうか?
 実際にプロンプトを実行した場合には、回答内容自体はあまり違いがないように感じられますが、実は、【AIが期待通りに応答しない場合のユーザーの心理的影響を考慮した場合】には、大きな違いが出てきます。
 
以下は、v0と対話しながら命令形と依頼形の違いを抽出したものです。

<<ここからv0>>
1. フラストレーション管理:

「〜してください」: 明確な指示にもかかわらずAIが応じない場合、ユーザーのフラストレーションが急激に高まる可能性があります。
「〜してくれますか?」: より柔軟な表現により、期待値が若干低くなり、フラストレーションの急激な上昇を抑える可能性があります。

2. 心理的柔軟性:
「〜してください」: 命令調のため、AIの「不従順」に対してより強い否定的反応を引き起こす可能性があります。
「〜してくれますか?」: 依頼調のため、AIの応答が期待と異なる場合でも、ユーザーがより柔軟に対応できる可能性があります。

3. 自己効力感(やる気)への影響:
「〜してください」: AIが応じない場合、ユーザーの自己効力感がより大きく低下する可能性があります。
「〜してくれますか?」: 依頼形式のため、AIの応答が期待と異なっても、自己効力感への影響が比較的小さい可能性があります。

4. 学習と適応:
「〜してください」: 明確な指示が功を奏さない場合、ユーザーは別のアプローチを試みる動機づけが高まる可能性があります。
「〜してくれますか?」: より柔軟な姿勢で始めているため、異なるアプローチを試すことへの心理的障壁が低い可能性があります。

5. AIとの関係性:
「〜してください」: AIを道具として見なす傾向が強まり、期待通りの結果が得られないとAIへの信頼が急激に低下する可能性があります。
「〜してくれますか?」: AIをより対等なパートナーとして捉える傾向があり、期待通りの結果が得られなくても、協力して解決策を探る姿勢が維持されやすい可能性があります。

結論:
 AIが期待通りに応答しない場合のユーザーの心理的影響を考慮すると、「〜してくれますか?」という表現方法がより有効である可能性が高いです。
この表現は:
1. フラストレーションの急激な上昇を抑制
2. 心理的柔軟性を維持
3. 自己効力感への負の影響を軽減
4. 学習と適応を促進
5. AIとのより協調的な関係性を維持

 これらの利点により、ユーザーはAIとの対話において、より前向きで建設的な姿勢を維持しやすくなります。特に、AIの能力が完璧でない現状においては、このような柔軟な姿勢が重要です。
<<ここまで>> 

④続きます

 いかがでしたでしょうか?
 このように、プロンプト文は非常に繊細で緻密な文の構成が必要で、その背景をきちんと理解しておくことが重要です。
 とくに、命令形と依頼形に関しては、完璧なAIは存在しない以上、これから長くAIと付き合うに当たって、人間側が習得しておくべきイライラしない生活スキルになってくると思われます。

 さて次回は、新生v0の検証が終わり次第、続きを投稿しますので、いましばらくお持ちください。


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