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Googleサイトで作るグループウェア(コラム1:DXという謎言葉)

この記事を読んで欲しい方

Googleワークスペースを企業DXに導入したが、上手く広げられていない方
Googleワークスペースを導入しようと考えてる中小企業の方
無料のGmailやクラウドアプリだけ使っているテレワーカー
GIGAスクールなどでGoogle for Eduを導入している学校

①DXという謎言葉

日本人のIT系やコンサル系の人が大好き?な謎言葉DX
人に「DXってなに?」と聞くと100人100様という有様です。
このnoteでも、色んな人が色んな内容でDXを語っていますが、今ひとつピンとこないものばかりです。(もちろんいい線いっている人もいます)
今回は、頭の体操として、謎言葉DXを深堀りしてみました。

謎言葉DX

②DX議論に欠けているもの

よくあるDX議論に欠けているものは、デジタル・トランスフォーメーションという言葉の曖昧さの問題です。
DXの定義には経済産業省の定義などがありますが、必ずしもデジタル・トランスフォーメーションを具体的にわかりやすく表しているわけではありません。
まず、「デジタル」の部分が不明です。
「デジタル」はICT化だよ、と簡単に考えてはいけません。「どのようなデジタル化・ICT化が必要なのか?」が重要なのです。
次に、「トランスフォーメーション」ですが、変形・変化・変質・変換・変革など、意味が多岐にわたりますが、「なにかが変わること」というのはわかると思います。
では、その「なにか」ですが、考え方・仕組み・働き方・使い方などなど、いろいろな場面が想定されてしまいます。
ざっくり言ってしまうと、DXの説明には以下の問に答える必要がある訳です。
「考え方・仕組み・働き方・使い方をかえるためには、どのようなデジタル化・ICT化が必要なのか?」ということになります。

デジタル化とICT化
なにかが変わること(トランスフォーメーション)

③何を変えたいのか

簡単に言うと、「変えたくない人は変える必要がない」のです。
ところが、その状況が「効率化や生産性」を低下させる原因になるよ、と経済産業省が言っています。
それが「2025年の壁」といわれるものです。
本当に、そんな壁があるのかどうかはわかりませんが、きっとあるのでしょう。
経済産業省が言っていることについて、個人的に思うのは、「紙でやってたことを、ぜんぶコンピュータの中でやってくれ!そうしたら、とりあえずうまくいくから!」程度のことだと思っています。

2025年の壁

④DX議論の第一歩

次に、DX議論の第一歩で特に重要だと思う言葉が2つあります。
1つは「攻めのDXと守りのDX」という言葉で、2つめは「クラウドプラットフォーム」です
これらは、実際に現場にDXを導入していく場合の、第一歩としての重要な切りくちになります。

攻めと守り

⑤守りのDX

まず守りのDXですが、これは効率化・最適化の意味が強い言葉です。
要するに会社や学校などの業務中の作業を【全体として】効率化・最適化すればよいということです。
その導入過程や結果で、「考え方・仕組み・働き方・使い方が変わったね」でOKです。
そのために必要なICTのシステム化の仕組みがありますが、詳しくは後述します。

⑥攻めのDX

つぎに攻めのDXですが、これは生産性の向上の意味が強い言葉です。
一般的に公開されているDX事例で、よくやられているのが攻めのDXの方です。経済産業省もこちらを推しています。
要するに、工場などでもっと生産性が上がればよいということです。
つまり、DXの着手意図会社全体ではなく、部門や部署的な切り分けから始めている訳です。
その導入過程や結果で、「考え方・仕組み・働き方・使い方が変わったね」でOKですが、全体ではないところが気になります。

⑦DXの最終目的

つまり、DXの最終目的は、守攻あわせて「全体として効率化・最適化・生産性の向上がなされ、考え方・仕組み・働き方・使い方が変わること」です。
これを、経済用語「全要素生産性(Total Factor Productivity、TFP)」の向上と言います。
海外では、これが最も重要な指標なのです。

TFPとはなにか

⑧クラウドプラットフォームをまず入れろ

クラウドプラットフォーム

さて、日本のIT屋さんたちは、これを言われてしまうと自分たちのシステムが売れなくなるのでかなり抵抗されるのですが、「どのようなデジタル化・ICT化が必要なのか?」問の答えは、ずばり「まずクラウドプラットフォームを導入しなさい」になります。
つまり、クラウドプラットフォームを導入して紙をほとんど無くすことです。
「ほとんど」と書いたのは、どうしても紙で残さないといけない部分もあるのです。でも、それ以外は全部クラウド上で済ませられます
クラウドプラットフォーム自体は、GoogleではGoogleワークスペースMicrosoftではMicrosoft365がこれにあたります。
(残念ながら、この2社以外のシステムでは統一的な使い方ができません。)
つまり、クラウドプラットフォームの導入は全社的な決定事項であり、守りのDXそのものなのです。
ただ、攻めのDXが不要というわけではありません。守りのDXが終われば、攻めのDXに進むべきです。
個人的にはいきなり攻めから入るのには否定的です。あくまでも「守りから攻め」の手順を間違えないようにしたいですね。

守ってから攻める

⑨クラウドプラットフォームがよくわからない

「クラウドプラットフォームを入れたのだが、使いにくいし、どう使っていいのかよくわからない」という言葉をよく聞きます。
その時私は、クラウドトップの考え方をお話します。
クラウドトップについては別項に譲りますが、簡単に言うと、今までの人たちパソコンの使い方を覚える時に「デスクトップ」という基本的な考え方を学びます。ところが、クラウドプラットフォームでは、その考え方が通用しない事が多々出てくるのです。
また、スマートフォンタブレットなどは、そもそも「デスクトップ」という考え方がありません
つまり、パソコン・スマートフォン・タブレットと端末を渡り歩く人達に、基本的な考え方や使い方を提示できていないのです。
それが、使いづらさの大きな原因となっています。
これに関しては、本来ならばGoogleやMicrosoftがきちんと説明する責任があると思っています。

メタファーが統一されていない
クラウドトップメタファーの4つの機能

⑩おわりに

さて、謎言葉DXについて長らくお話してきましたが、時々コラムでは、このような頭の体操をやってみようと思っています。(続く)


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