「好き」を集めて、育てたい

子どもの頃から、「好き」を大切にし続けている人ってゆるがない自分をもっている。

弟は仮面ライダーが好きで、今もベルトを集めて変身して楽しんでいる。プリキュアやラブアンドベリーが好きな友達は今も、昔集めたグッズを大切にしている。

大人になっても変身する人は珍しいと思うけど、自分は好きだからっていえる。

子どもの頃から好きなものが今もつながってるって、好きなもので推しを喩えたりする。

幼い頃から大切に自分の「好き」を育ててきた人って、芯が強く自分を確立している。

私自身は、そんな「好き」を育ててきた人とは正反対だ。

自ら好きを壊してしまった。

自分でいることに自信がなくて、他人の目を気にしすぎてしまう。

好きなことがあっても、他人から何か言われたり、受験や就活などうまくいかない状況に置かれると、自分を傷つけるように遠ざけた。

自分を否定し、何かを好きになる気持ちを、手放すことで生きてきたんだと思う。

気づいた頃には好きなことがわからなくて、空っぽになっていた。自分の輪郭があやふやで、芯が弱く、ちょっとしたことで折れてしまう。

だからこそ、幼い頃から「好き」を大切にしている人が羨ましい。「好き」を大切にすることで、ゆるがない自分を育てているから、他人からの目を気にしない。他人から何を言われても、私はこれが好きだからって、折れない。自分を貫ける。

子どもの頃には戻れないけれど、今からの「好き」はこれから育てることができる。

ひとりで過ごして、見つけてきたように。

昔否定してしまった「好き」も、また好きになるかもしれない。

子どもの頃、お菓子の缶にキーホルダーとか宝物を集めていたように、少しずつ「好き」を集めたい。集めて、育てていきたい。