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『稲盛和夫一日一言』 4月12日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 4月12日(金)は、「原理原則に従う」です。

ポイント:常に「原理原則」に基づいて判断し、行動しなければならない。その判断が、人間としての道理に基づいたものであれば、それは時間や空間を超えて、どのような状況においても受け入れられるはず。

 1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSIONー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「原理原則に基づく」の項で、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 常に「原理原則」に基づいて判断し、行動しなければなりません。

 ありきたりな知恵や慣習に頼って判断を下すのは避けるべきです。なぜなら、そういう知恵や慣習が通用しない新しい状況に直面したとき、うろたえることになるからです。

 常日ごろより、原理原則に基づいた判断をしていれば、どんな局面でも迷うことはありません。「原理原則」に基づくということは、人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人間として正しいものを正しいままに貫いていこうということです。

 人間としての道理に基づいた判断であれば、時間や空間を超えて、どのような状況においてもそれは受け入れられるのです。そのため、正しい判断基準を持っている人は、未知の世界に飛び込んでも決してうろたえたりはしないのです。

 真の革新者たちが新しい世界を切り開き、開拓することができるのは、彼らが経験豊富であるからではなく、また常識があるからでもありません。
 それは、彼らが本当に崇高な人間の本質を知っており、基本的な原理原則に基づいて判断を下すからなのです。
(要約)

 また2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)「原理原則にしたがう」の項では、次のように述べられています。

 京セラでは創業の当初から、すべてのことを原理原則にしたがって判断してきました。会社の経営というものは、筋の通った、道理に合う、世間一般の道徳に反しないものでなければ決してうまくいかず、長続きしないはずです。

 我々はいわゆる経営の常識というものに頼ることはしません。「大抵の会社ではこうだから」という常識に頼って安易な判断をしてはなりません。
 組織にしても、財務にしても、利益の配分にしても、本来どうあるべきなのか、ものの本質に基づいて判断しなければ、外国においても、またいまだかつて遭遇したことのない新しい経済状況にあっても、判断を誤ることはありません。

 どんな時代であろうとも、人間として正しいことは何なのかということを基準に判断を行わなければならない。そのことを私は「原理原則にしたがって判断する」と表現しています。
 また、「京セラフィロソフィ」そのものが原理原則である、とも言えます。つまり、フィロソフィの個々の項目には、こういう場合はこう判断するのだという判断基準が書いてあるということです。
(要約)

 世の中を動かしている「原理原則」といったものを、若いうちから自分のものにできている人はそう多くはないように見えます。だからこそ、社会人になってからも精進を続けることが必要なのです。

 どのような分野であっても、しっかりとした判断基準、基軸を持ち、それをぶらすことなく公明正大、正々堂々と生きてこられた方々は称賛に値する存在ではないでしょうか。

 「公明正大」には、「私心をさしはさまず、公正に事を行うこと。また、そのさま」といった意味があり、それぞれ「公明」には、「公平で私心のないこと、不正や隠し立てがないこと」、「正大」には「態度や行動などが正しくて堂々としていること」といった意味があります。

 「人間として正しいことを正しいままに貫く」

 京セラフィロソフィのベースには、一貫してこのような考え方、基本姿勢が貫かれています。そこにこそ、フィロソフィを学び続ける意義や意味があると思っています。


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