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【ラオス発】もちもちののど越しはまるで讃岐うどん!ナンプコーヒーの 「カーオピャックセン」 ~アジアの旅ごはん~

アジアの一人旅ごはん。
今日はラオスの首都ヴィエンチャンの絶品麺をご紹介します。

そもそもラオスを旅された方はいらっしゃいますか。

タイの東北地方のルーツを組む料理や、タイ語の親戚のようなものがラオス語であり、タイ語を話してもラオス人はほとんどしっかり理解ができます。

稿を改めますが、地ビールともいえる「ラオスビール」はドイツのビールコンテストでも優勝を果たしたという確かな美味しさ(私は世界一のビールと感じています)!

それなのに外食文化はなかなか根付かず、自給自足が長年続いてきました。

「レストラン」の概念自体が希薄なラオスでは、他人に食べさせる料理がすなわちその家(そのお店の家庭)で食べられる料理であるとも言え、気軽にラオス現地料理を食べることができるのがとても魅力です。
(観光客が多すぎる国では本物の現地料理に出会うのに苦労する…)

首都であるにもかかわらずほとんど大きな建物も見えず、落ち着いた日常が流れるヴィエンチャンは、数日滞在するだけでその魅力にとりつかれる場所だと感じています。

目抜通りのシャルル・ド・ゴール通りには凱旋門を模したパトゥーサイが佇む

残念ながら日本の旅行者の方々はラオスに足を向ける人が多くはないのが事実ですが、これをご覧になってくださった皆さんの足が向くきっかけになればと願っています。

乾季の夕暮れ時の雰囲気は写真撮影にもってこいだ


◎ラオスのソウルフード「カーオピャックセン」

ベトナムのフォーやブンともまた歯ごたえ、喉ごしが違うのはなぜかと言えば、米は米の麺でももち米を使った麺だからです。

もち米を使った麺は隣国ベトナムやタイ、カンボジアでも一般的ではなく、まさにラオスのソウルヌードルとも言うべきものがこの「カーオピャックセン」と言えます。

稲庭うどんのような細目の麺だが、もちもち感は半端ない!下に記載するナンプコーヒーのカーオピャックセン

だからこそ国内ではきわめて有名な麺で、ヴィエンチャンに限らずラオスに来られた旅人の方ならどなたも食べることができる一品ですが、家庭的なものだからこそヴィエンチャンを離れるとどこでも置いているとは限らない様子…(最初はヴィエンチャン料理と思っていました)

北部に行くとルアンパバーン料理である「カオソーイ」が登場してくるので、ヴィエンチャン旅に特に縁のある料理なのかもしれません。


◎幻の味「ナンプコーヒー」のカーオピャックセン

今から10年以上前ですが、東西を走る中央通りの側にナンプコーヒーという店がありました。

文字通り喫茶店としても利用ができますが、ラオスビールや(ラオスの店ではありとあらゆる場所でビールが売っている)軽食を食べることができました。

かつてのナンプコーヒー。小さいながらも名店がそこにあった。

そこのおじさんが作るカーオピャックセンが絶妙に美味しかったのです…。

店先に大きな鍋を用意し、まだまだタイ語も下手くそだった頃ですが、自分でスープを作っていることを教えてくれました。

かんたんな喫茶店などの店ではレトルトラーメンを出す店も多いのに、その意気込みとあまりの美味しさに感嘆がとまらなかったのです。

ナンプコーヒーのカオピャックセン。白菜とフライドガーリックがアクセントとなり本当に美味しかった

ヴィエンチャンに滞在したときにはこのカーオピャックセンをいろいろ試しましたが、やはりこの店の味は格別でした。

それからしばらくして再びヴィエンチャンに訪れたとき…ナンプコーヒーは閉まっていました。

お休みかな?
と思って次の日に行くもシャッターは閉じたまま。そのときは開くことを見られませんでした。

また数ヶ月後、三たび店へ向かうと…店が開いていたのです!
しかし…嬉しくなり近付くといつもの店と様子が違いました。
店先に置いていた鍋も野菜もなく、冷蔵庫に冷えたジュース・ビールと、奥の座席があるだけでした。

娘さんらしき人が出てきたので話を聞いてみると…あのおじさんはすでに病気で亡くなっていたのです…。
「もうカーオピャックセンは食べられない?」
そう聞く私に「そうね」と言う彼女はとても悲しそうでした。

本当になってしまった幻の味…。
近い味を探そうとしていますが、なかなか巡り会うことはありません。

◎似た味を探し求めて
当時のナンプコーヒーのカーオピャックセンは幻の味になってしまいましたが、味覚(嗅覚)は身体が覚えているもので、同じ味をなんとか…と思いながらヴィエンチャンの町中を探し回りました。

スリーシスターズカフェ。朝から開いているのが嬉しい

メコン川近くの3sisters cafeという店は穏やかな味とオニオンチップの味が、懐かしの味を思い出させます。

パクチーやや多め。取ってもらうことも可能


デリシャスヌードルの外観

もう一件はデリシャスヌードルというお店。
なんとなくスープの味がブイヨンのような舌にくる味でしたが、麺自体の美味しさを楽しめるお店でした。

別皿で野菜がもられる。スープはなんかビーフブイヨンのような味だった。

コロナ以来大暴落してしまったラオスキップのおかげで、物価は確かに上がっています。一万円≒70万キップから124万キップ(タラートサオ2023.3.9、その後2024.8には138万キップ)。

「物価が上がってるから全然得した気がしない!」と言っているネットサイトもありますが、食事の値段とか、特に、大大大好きなビアラーオに関してはそれほど変わらず小瓶70円、大瓶でも相変わらず120円程度で買えるのでむちゃくちゃお得。円安でも気軽に旅ができるのが、ラオス旅の魅力です。

また新しいカーオピャックセンをさがしに歩きにいこうと思います。

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