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思いがけぬ再会:当世 悪魔の辞典

自由な時間をもらうと、私は高い確率で古本屋街に行く。今日もそうしている。

とある本を探しに入った古本屋。

眼の前にある本の山に何気なく手を置くと、そこには別役実の「当世 悪魔の辞典」が置いてあった。これ、大学の時に読んだことがある。社会人になる時に、まさにこのあたりのどこかの古本屋で売ってしまったのだけれども。

久しぶりだな、待ってたぜ。
さあ買い直してくれ、今のあんたに必要だから。

と、本に言われているような気がして思わず買ってしまった。古本なので、500円。

本を買ったら、サービスでコーヒー券がもらえた。この店では500円以上買えばコーヒーが飲めるとのことだった(自販機だけど)。これは助かる、ちょうどコーヒーが飲みたかったところだったんだ。

だから言ったろう?今のあんたに必要だって。

本をしまったバッグからそんな声が聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。

コーヒーを飲んでたら、ふと思った。

この本が、まさに数十年前に私が手放した本だったら?

本当にずっと私のことを待っていたのだとしたら?

有り得ないことだが、そんなことを考えてたらお目当ての本を探す気も何故か無くなってしまった。

さて、帰る帰る。

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