【本】『たまごの旅人』近藤史恵さん著を読んだ感想
相変わらず登場人物の心理描写が素晴らしく、共感できるところがたくさんありました。
海外パックツアーの情景が目の前に広がっていくような作品で、私も過去に参加したツアーを思い出しながら楽しく読み進めることができました。
近藤史恵さんの本を初めて読んだのは去年。
今回でまだ2冊目だけど、今、1番好きな作家さんです。
私がまさに書きたいと思っているような小説で、憧れの方でもあります。
近藤さんは、女性心理の炙り出し方がとても秀逸。
「女性心理」というとドロドロした印象を受けるかもしれませんが、まったくそうではありません。
心のひだやちょっとしたささくれや小さな幸せを、見事に言語化されているのです。
あまりにも「あるある」と共感してしまうところが多いので、勝手ながら、私と近藤さんは物の捉え方が似てるのかも?と思っています。
私は高校生くらいまで、ジャンルを問わず色んな小説を読んできました。
大学生頃からはミステリーにハマり始め、サラリーウーマン時代は読む本の9割以上がミステリーでした。
ハラハラドキドキの展開が癖になっていたんですね。
ところが数年前からは、ミステリーを読んでもグッと来なくなり、読み飛ばすことも増えて。
今では手に取ることもなくなりました。
最近は近藤史恵さんのような、日常の中の非日常だったり、いわゆる"ヒューマン系"というジャンルだったりが1番落ち着きます。
人の好みってゆるやかに変化していきますよね。
今の自分が心地よく感じるものをチョイスしながら、これからもたくさんの本を読んでいきたいです。