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意味のあるデザイン、上辺だけのデザイン

先日、自分の中でとても腹落ちしたお話を聞く機会があった。
インスタグラムでひょんな所から繋がった方で(元々は夫のコーヒー屋さんにのみに来てくれたお客様)私が好きなデザイナーについてストーリーズをアップした時にDMをくれたのがきっかけでした。


某大手アパレル企業で30年従事された生粋のアパレル業界の方。
パリで10年間もファッションシーンを目の前で見てこられた方と会うのは正直「すごい人と会うやん、どうしよう何話そう」ととても緊張して足を運びました。

しかし、そんな心配は無用でお昼時の混雑していたカフェ店内 気づいた時には日は落ち私たちの席以外はガラガラになっていました。

聞きたいことが多すぎてほどんど私からの質問(尋問並み?)だったと思います。でも嫌な顔一つせずに真剣に話をしてくれる。
会話ももちろん楽しかったけど何より私もこんな大人になりたいと思いました。

洋服の歴史が浅い日本のファッション


話は戻って、モトさんとの会話の中で私の記憶に特に残ったパリ現地のデザイナー ジャックさんとの話。

アパレル企業に在籍していた時のブランドデザイナーで
ジャックさんとの出会いでそれまで長年身をおいてきた日本のファッションと、本場パリのファッションに対する想いの違いに衝撃を受けた話をしてくれました。

服には一つ一つ歴史がありストーリーがあること

ポケット一つにもなぜここに付いているのか?なぜこの形なのか?全て意味があってその装飾がされていること

その背景がわかっていなければ上辺のデザインであること

歴史と伝統を作った先人たちへのリスペクトがあってこそのデザインだということ

服飾を学んだ人は歴史なんて知っているよ〜と思うかもしれないけど
座学で学んだ知識とリアルに体験すること体感することは全くの別物。

休みの日にはジャックさんとモトさんでパリ中のヴィンテージショップを周ったらしい。想像するだけでワクワクが止まらない話でした。

ジャックさんの言うように
文化の盗用ではないけれど「コレクションで見たこのポケットかっこいいからここにデザインとしてつけちゃお!」という上辺でデザインされた日本の服は多いと感じます。

その原因はモトさんも言っていたように
日本は洋服の歴史が浅いからだと思います。着物を着ていた時代の方がはるかに長く洋服が一般的になったのは長い歴史の中でごく最近です。

なので私たち消費者もそこまで洋服の背景を考えていないと思いますし、しょうがないと思うところもあります。

しかし、洋服の歴史は浅いですが、和装の歴史が長いことは誇りであると思います。利便性や現代のライフスタイルを考えれば洋服の方が選ばれやすいと思いますが
洋服の細部にも意味があるように、和装にもその形に至った経緯や背景があります。
そしてその和装とつながりが深い日本の美意識があります。

この美意識についてはまた明日にでも別で話をしようと思います。(長くなりそうなので、、


リアルからしか生まれないもの



私はジャックさんのように本場のプロのデザイナーではないし本国の方からすれば歴史の知識もまだまだ素人同然です。
だけど、その文化やその服が生まれた社会背景はとても興味があるし私がヴィンテージに惹かれる理由もそこが服から伝わるからです。

リアルな時代のものもそうだし
リアルなものに触れた人、リアルなものを見てきた人から生まれる作品は内部から湧き出るものが形に現れるのだと思う。

音楽だってそうだと思います。
リアルなストリートを見て来た人のリリックと流行りで言葉をならべている人のリリックは同じ言葉でも重みが違う。リアルだからこそ人の心に刺さる音楽になる。

物事の本質はどんなものにも共通するのだと思います。










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Kazumi okada 岡田香寿美/ファッションスタイリスト/専門学校講師
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