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君の好きなバンド

彼女とは趣味が被るようで被らない。別にそれ自体は悲しくも何ともないのだけれど、好きな人の好きなものには当然興味が出たから聴いてみた。実はそのバンドのボーカルが自分と同じプロ野球チームのファンだと聞いた時にも挑戦したのだが、どうしても声や歌詞の雰囲気が好きになれず断念していた。好きな人が好きなんだからと二度目の挑戦をするも、自分の好みは変わっていなかったようで相変わらず駄目だった。そればかりか、いわゆるメンヘラ感の強いバンドで彼女もそれを肯定していたため、大好きな彼女がそれを聴いている事実と向き合わないように遠ざけてしまった風でもある。

先日、YouTubeのおすすめにそのバンドの天才的な歌詞まとめ みたいな動画があったので聴いてみたところ、今までは全く理解できなかった歌詞が理解できるようになっていたし、そこに確かに彼女の面影を見た。あの子の頭の中こうなってるのか、そんな衝撃があった。

恋愛を歌う曲の意味がわかるようになったのは彼女のおかげだし、その中でも彼女が特に色濃く影響を受けた言葉をあたかも彼女自身の思考として受け取ってしまったのはきっと彼女のことを以前より理解できてきたからだと思う。

前回聴いた時との違いに自分自身とても驚いたし、その変化がとても嬉しかったから、ろくにまとまってすらいないのにこうやって文章に起こそうとしてしまった。

付き合って今日で五ヶ月だ。


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