大学を卒業した。 この生活がずっと続くような錯覚に陥っていた。 周りより遅めの卒業式が終わり、もう数日後には社会人となる。 卒業式の後、彼女がとびきり大きくて、とびきり素敵な花束を渡してくれた。 おめでとう、って渡してくれたそれは、華やかに卒業を祝してくれると同時に、学生生活の終わりを鮮やかに告げるものにも思えた。 嬉しさと切なさが、渦を巻いて襲ってきて、涙が止まらない。 でも、泣いてばかりではいられない。 前を向いて、社会人として、彼女との未来を、あの花束に負
初めてミニシアターというものに行った。正直映画はそんな好きじゃなかったしTOHOシネマズみたいな大きいところしか行ったことが無かったから、彼女との予定を決めるときにミニシアターの上映スケジュールを見て驚いた。すっくな!! 別に全ての映画が嫌いだというわけではなく、面白いと思える好きな映画もあるので、どちらかというと映画に対して興味が薄かったとの言い方が正しい。自分から見ることは稀だし、映画を見よう!と決めた時にTOHOシネマズのラインナップを見てもあまりそそられるものが無か
今日はとてもいい一日だった。大好きなバンドが小規模ながらもライブを開催し、それを見に行った。久しぶりのライブ会場やそこでの生演奏はやはり良いものだった。その後、大好きな恋人とご飯を食べ、カラオケで歌いもせずひたすらに駄弁り抱きしめ合った。家に帰ると、大好きな漫画の新刊が届いていた。あまり数多くのタイトルを追いかけている訳ではないが、たまたま新刊の発売日が重なっていたため二冊届いた。そのどちらも期待を裏切らない面白さだった。 「好き」について言葉にしようとするとき、今までは「
約三週間ぶりに彼女の家まで片道二時間運転して遊びに行った。春ごろ街や人が様子を変えるまでは渋谷で会っていたのだけれど、今や頻繁にそんなわけことをする訳にもいかず、3月に取得した普通免許のありがたみを噛み締めながら彼女の地元で遊ぶことが多くなった。 しかし当然頻度は落ちて、お互いの大学帰りに気軽に毎日のように会っていた頃はなんともなかった別れ際がなんだかとても悲しく感じるようになった。 鉄道を使わなくても会える距離に住んでいるカップルのことが非常に羨ましく思えてきたし、なん
先日、大好きな彼女が誕生日を迎えた。早生まれの自分と二歳差でいられたのは5ヶ月足らずで、また出会った時と同じ3歳差になってしまった。何歳差なんて些細なことは全く問題ではなく、また少し歳上になった彼女はますます魅力的だ。 初めて迎える彼女の誕生日。プレゼントは奮発し、そこまでお高いわけではないけど行きつけのお店の馴染みの味でお祝いして、安価で有名なホテルでチェックアウト遅めのプランでまったり。まだまだレジャー施設に遊びに行ける状況ではないこともあり、二人ささやかに落ち着いた雰
彼女とは趣味が被るようで被らない。別にそれ自体は悲しくも何ともないのだけれど、好きな人の好きなものには当然興味が出たから聴いてみた。実はそのバンドのボーカルが自分と同じプロ野球チームのファンだと聞いた時にも挑戦したのだが、どうしても声や歌詞の雰囲気が好きになれず断念していた。好きな人が好きなんだからと二度目の挑戦をするも、自分の好みは変わっていなかったようで相変わらず駄目だった。そればかりか、いわゆるメンヘラ感の強いバンドで彼女もそれを肯定していたため、大好きな彼女がそれを聴
以前、それは幼なじみへの幻想をまだ捨てきれなかった頃。ネット掲示板に投稿されたいわゆる「SS」というものを読み漁った。特に大本形式のものが好きだった。「幼なじみ」タグの付いた作品をほぼ読破する勢いだった。 すると困ったことに、書きたくなった。書いた。 2年前の自分の性癖や好み、憧れ理想を全てぶち込んだ自作SSを、彼女と会う前の夜、中々眠れない夜に供養する。今のおれはこんなに幸せなんだぞと思いながら、過去の自分への別れの代わりに晒します。 以下原文ママ。 **男「ない…!」
やったー!初めての彼女だー!!とはしゃいだのはいいものの、初めての男女交際、どうすりゃいいのか分からないわけです。 しかも、彼女は今まで関わったことのないような人で、体質だったり趣味嗜好だったり、今までこんな人と関わったことなかったなと思って。 それ自体は全く悪くないし、じゃあ今まで関わったことのあるような人と付き合えばいいじゃんと言われてしまいそうだけど、初めてのお付き合いがそういう人とっていうのはやはりハードモードといいますか、男女交際のイロハも分からないのにしかも人と
対峙したわけではないです。 偉い人は言いました。「元彼に人権無し」と。 おれは「それな」と思いました。 実際会ったことないし、名前も知らんし顔も知らんのでおれの人生には全く関係のない人です。 でもなあ、そんな何処の馬の骨とも知らねえやつが自分の大好きな人にスタンドの如く存在しているんですよ。ちらつくわけです。 しかも複数。 結果的に別れたにしても、付き合ってた当時はそりゃあ好き同士だったはずで、そんなの1ミリも面白くないですね。そこにはたしかに「他の男と楽しかったは
この前彼女できたんですよ。めちゃくちゃ可愛い彼女。外見だけじゃなくて性格も声も言動も全てが大好きでほぼ毎日のように会って、その度に好きだなぁって気持ちが強くなって、とても素敵な彼女なのです。 おれは思ったことを全て言う、嘘が苦手で良く言えば素直な人間かなって感じなので「好き」を余すとこなく本人に伝えてるんですね。 「今日も可愛い」「今日特に可愛くない?」「めちゃくちゃ喋ってくれるのほんと好き」「ちょっと抜けてるのも好き」「全て好き」etc こんなのほんの一例で、本人に対
「重い過去」「こじれた人間関係」「不安定な精神」「将来への不安」「通院」「薬」「カウンセリング」 こういう、世間一般で「メンヘラ」って呼ばれるような要素を持つ人間に対して、なーーーんにもそういうことがないおれは負い目を感じてしまう。 いや、おれもそういう要素がない訳じゃない。何度も上手くいかなかった片思いで気分が沈んだり、人間関係をこじらせてしまったことも多々ある。でも、それらがない人間なんていないし、「気分屋」っていう個性で片付く問題なのであって、比べ物にならないほど苦し