週報②
月曜日は仕事終わりにナミビアの砂漠を観に行った。2回目である。
同じ映画を複数回観るという経験は初めてで、しかも2日連続で観に行くとはこれもまた初めてである。
帰り道にモールを歩いていると、女子高生が20人ほど集まって談笑していた。
時間は23時にさしかかっており、女子高生という眩しげな存在と夜の闇のコントラストが異様すぎて寒気がした。
前衛的な風刺作品に迷い込んでしまったのかと思った。逃げるように帰った。
火曜日は1人で焼肉を食べに行った。
七輪タイプの店で、ものすごく混んでいた。おまけに空調がきいていないので店にいる全員が汗だくで肉を食らっていた。
5杯ぐらい飲んでそこそこいい気分になり、店を後にした。
ファミマの前に座ってタバコを吸う。
家の裏は飲み屋街なので、キャッチがすごく多い。その中に、毎日見かける茶髪で顔の整っている小柄な大学生風の男がいる。そいつが他のキャッチ仲間と話しているのをぼんやり聞いていた。どうやらナルセという名前らしい。
雑居ビルの2階にガラス張りの美容室がある。21時に散髪をするやつの神経が分からない。
この街の人間はトイレを貸してくれるコンビニを探している。
水曜日は健康ランドに行った。
駅前から無料シャトルバスが出ている。
いつもはイヤホンをして動画を観ながらバスに乗っているが、何となくその日はやめてみた。そういえばいつも謎のラジオが流れている。窓の外に目をやる。こんな所を通ってたのか。
ガールズバーの女から飯の誘いが来た。
「同伴ですか?」と、何とも無粋な返信をしてしまった。同伴だった。
そんな甲斐性はないので断った。
木曜日は何をしたか忘れた。
大体、木曜日の記憶が無いことに気づいた。
金曜日に京都に帰ってきた。
仕事終わりに新幹線に乗って、新横浜から京都を2時間ほど移動した。
車内で「あんのこと」という映画を観た。重い内容だった。
新横浜から新幹線に乗る前は元気だったが、京都で新幹線を降りた時の気分は最悪だった。2時間で人の気分というのはこうも変わるものか。
土曜日の午前中にまたナミビアの砂漠を観た。
たまたま監督の舞台挨拶があり、ティーチインイベントに参加した。3回観た旨を伝えて、主人公の吸っているタバコの銘柄はどうやって決めたのか質問した。
「3回観た上でその質問をするのは渋いですね、いい質問だ」と言われた。映画監督に「いい質問だ」と言われた経験が君たちにあるかね。
サインを貰った。
電車でお婆さんが鼻くそをほじっているのを見た。お婆さんが鼻くそをほじっているところを見るのは初めてだったので、お婆さんも鼻くそをほじるんだと思った。
夕方はカネコアヤノのライブに行った。良かった。かなり汗をかいて気持ち悪かったので、グッズのTシャツを買った。
日曜日は散髪をした後「ぼくのお日さま」という映画を観た。面白かった。私の陳腐なボキャブラリーで細かく感想を書いても仕方がないので、単純な事しか書かない。
夜に友だちと飯に行き、その後銭湯に行った。もはやルーティン的な所があるので、別に楽しいとか楽しくないとかはない。必要な時間であることは確かだ。
最近の空はかなり活気がある。
9月も半ばになるが、今が1番夏っぽい。
でっかい積乱雲が図々しく浮かんでいて気持ちがいい。扇風機が埃まみれだ。