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子育てコラム(11)『幸せホルモンのコスパ』
「今年のお年玉、1万円越えた!」
と喜んでいるA君。
それを見たB君が
「たった1万? 俺、3万越えたもんね~」
と かぶせてきました。
すると、悔しかったのでしょう、A君は、
「俺の友達、10万とか言ってたぜ~」
B君も負けじと、
「は?たった10万?100万のヤツ いるぜ~」
と、不毛な口喧嘩が始まったりします。
この様子を見た親は、
「お金の自慢なんか、みっともないから するもんじゃない!」
と叱ったりします。
何も言わない親より よっぽど良いと思いますが、、、
みっともないからするな、、、ということは、
「お年玉が多いことは良いことだ」
っていう前提をそのまま認めていますよね。
「お年玉は多い方が良いのは当たり前だが、それを口にするな」
という話ですから。
それを言われた子供たちは、
「やっぱり、お年玉が多い方が良いんだな」
っていう想いを強めないですかね?
私は 子供たちに訊きます。
「1万円のお年玉で幸せになれるA君と、3万円のお年玉で幸せになれるB君、これって、どっちが良いんだろうね?」
こんな風に聞くと、子供たち、ちょっと静かになります。
完全に水を差しました。
1万円もらったと喜んでいる時、きっとA君の脳には、幸せホルモン(ドーパミン?)が出ていることでしょう。
ところがB君は、3万円もらわないと幸せを感じない・・・とすれば、
幸せホルモンの「コスパ」は、A君の方が、B君より良い、しかも3倍も。
ってことにならないでしょうか?
これ、私たち大人にも言えますよね。
「高級ブランドでないと満足できないAさんと、ノーブランドバッグで十分満足なBさん、、、どっちが幸せのコスパが良いのでしょう?」
こうして、ホルモンベース(?)で見ると、小さなことで幸せを感じる人の方が 「幸せのコスパが良い」って言えませんか?
ただし、この考え方、弱点があるようにも思えます。
それは、、、小さいことで幸福感を得られてしまうと、そこで満足してしまい、さらなる努力に結び付かないんじゃないかということ。
でも、心配しなくて良いんじゃないかな、と思います。
「これだけは負けたくない」ということにおいては、どうやっても満足できないと思いますので。
私たちは安心して、幸せホルモンのコスパ向上を目指せば良いのだろうと思います。
さて、
日本人の幸福度が低いって言われますが、その理由として最近語られるのが遺伝子レベルのお話。
日本人には、不安を感じる遺伝子(S型遺伝子?)が多いのだとか。
だから、幸せを感じにくい体質なんだと。
「なるほど、そういうことね。納得」
という部分は大いにあります。
大いにありますが、幕末や明治初期に日本を訪れた外国人の手記などを読むと、
「日本人は、都市に住む住人も、田舎の人たちも、なぜか みんな幸せそうで、よく笑っている」
な~んて書いてあります、、、しかも、結構多くの外国人が同じ感想を述べているわけです。
今の時代、私たちは何かあるとすぐに不安になりますし、もしかしたらそれはS型遺伝子に因るのかもしれませんが、当時の日本人は、遺伝子要因を上回る「優れた価値観」を持って暮らしていたのかもしれませんね。
きっと、
道端に咲く花を美しいと感じる感覚
夕焼けの空を「きれいだな」と立ち止まって眺める習慣。
日常の小さなことで笑える感性
・・・そういったものに、積極的に価値を置く人々が多かったのでしょう。
もちろんそれは、当時の日本人が全体に貧しかったので、ささやかなものに対して価値を見出しやすかった という面もあったでしょう。
しかし、今の時代にあっても、私たち大人が、拝金主義を捨て、ささやかなものにこそ積極的な価値を見出す習慣を身に着ければ、やがてコスパ最高の脳が出来上がり、その脳を子供たちの脳が写し取っていけば、きっと、子供の幸福度も上がっていくのでしょう。
子供たちの幸福度が高くなった時、子供たちはもう「お年玉自慢」なんかしなくなっているんだろうなぁと思います。