漢詩の本買った!/「長恨歌」読む。
漢詩の本を買いました。
本屋の検索で「漢詩」って調べても在庫がほとんどなくて。
とりあえず出てきたものを探しに行って、その周辺でいいのがないか…となんとか探した結果、私にとっていい感じの本があった!
「中国名詩鑑賞辞典」
そっか。
「漢詩」としか調べてなかったけど「中国の詩」っていう表現もあるよな、と。全然思いつかなかった。
そしてこの本。分厚い。
770ページある。
なんと、『詩経』掲載のものから清代に至るまでの詩、350首が収録!!すごい。『詩経』というのは、中国最古の詩集らしいから、最古〜最後の王朝までの詩が載ってる。すごい。現代がないだけ。現代でも作られてるのかな。
ぱらーっとめくって、中国史をおさらいしたくなったな。世界史好きだったけど、もうほとんど覚えてない。世界史もおさらいしたい気持ちはあるんだけど、方法が思いつかず。ノートとか見返してみようかな。
漢詩、と言えば。
何を思い出しますかね?
まぁほとんどが
「春眠暁を覚えず」
「国破れて山河あり」
このどちらかでしょう!私もそう!
そういう、有名なものを読みたくて、この本を買いました。
別の本は結構マニアックなものが多かったので。
あとは「黄鶴楼にて孟浩然の 広陵に之くを送る」も思いつくな。タイトル長いな、っていう記憶。笑
ちなみに、
「春眠暁を覚えず」は孟浩然の「春暁」。
「国破れて山河あり」は杜甫の「春望」。
どちらも唐の時代。
まだ全然読んではないけど、一つ、詩と解説を読んでみた。
同じ唐代に書かれた、白居易の「長恨歌」。
これも有名だと思う。
えーと、長恨歌の全部は読んでないので、すごく曖昧な知識で書くけど、多分、唐の皇帝、玄宗とその妃である楊貴妃についての歌。
「長恨歌」というように、めちゃくちゃ長い。大体3つに分けられて語られることが多く、私が読んだのはその二つ目。
反乱を逃れるためにどこかへ移動中、楊貴妃が死んでしまって玄宗がひどく悲しむ、みたいなそんな感じの場面。
正直、唐の歴史とか、玄宗と楊貴妃の話を詳しくは覚えてない。私が覚えてるのは田中芳樹の「隋唐演義」でのいくつかのシーンだけ。
隋唐演義で印象的だったのは、玄宗と楊貴妃が、隋の煬帝とその寵姫である朱貴児の生まれ変わりだった設定。煬帝が楊貴妃に、朱貴児が玄宗に、生まれ変わってた。
これは今思えば、玄宗と楊貴妃の「生まれ変わっても一緒に」っていう誓いからインスピレーションを受けたのかもしれないなぁ。(むしろ、前世からの愛でまた夫婦に生まれ変わった、的な)
もちろん煬帝も玄宗も、めちゃくちゃいい皇帝だったかというとそうでもないし、朱貴児は知らないけど傾国の楊貴妃もそうだろうと思うけど、でも、そこにあったお互いへの愛情みたいなものは本物だったかもしれないし、物語として、素敵だなぁと思う。
て、この白居易の詩も、あくまで創作だから、どこまでが史実でどこからが創作か全くわからない私が語っています。
白居易の長恨歌を読んで、やっぱりいいなぁ、となった。かっこいい。漢詩。
あと、「え?この言葉はここが出典ですか!?」って言葉がたくさんあったな。
書き下し文を書きますけど
「宛転たる蛾眉馬前に死す」
→"宛転蛾眉"だ!!
「芙蓉は面の如ごとく柳は眉の如ごとし」
→"柳眉"ってここ…!?
…と思ったけど、書きながら「もしかして"芙蓉"もここからなのか?」と思った。
「芙蓉」はよく美人に使われる言葉だけど、元々は蓮の花のことで、ここでの文章は「蓮は(楊貴妃の)顔みたいだし、柳は眉みたいだ」って、今とは逆を喩えるのよね("柳眉"は柳のように美しい眉、でしょう)。
芙蓉=美人になったのは、ここからなのか…!?
「天に在りては願はくは比翼の鳥と作なり 地に在りては願はくは連理の枝と為ならんと」
→"比翼連理"だー!!
宛転蛾眉も比翼連理も、漢検の勉強で知った熟語だから、日常的には使わないかもしれないけど。
でもこう、元々知ってた言葉の語源を見つけるっていうのは面白いなぁ。
※あくまで推測でしかないので、実際の語源はもっと前かもしれない。でも単語を調べたら大体が白居易の長恨歌を引用してたから、あながち間違いでもないかもしれない。
そう思うと余計、白居易ってすごいなぁ。となるし、白居易にこの詩を書かせるくらいの物語を持った、玄宗と楊貴妃はすごいなぁ、となる。
形容詞が全部「すごい」でごめん。(語彙力
とにかく、面白かった!(面白かったでまとめがち!)
漢詩に限らず、古事成語の語源って中国の話がほとんどだから、読むと面白いよね。守株待兔とかね。(待ちぼうけね。)
この流れでいつか論語とか荀子とか老子とか読めたらいいなぁ。笑