謎床

編集の達人による知の万華鏡〜『謎床』

◆松岡正剛、ドミニク・チェン著『謎床 思考が発酵する編集術』
出版社:晶文社
発売時期:2017年7月

起業家であり情報学の研究者でもあるドミニク・チェンが編集工学を提唱する松岡正剛と語りあう。オシャレな横文字コトバが乱舞し、現代の高度情報化社会を語るにあえて古典的なテクストが参照される。──縦横無尽、変幻自在な言葉の交歓。さながら知の万華鏡のような対話が展開されています。

華厳思想が描く重々帝網とインターネットに相似を見出したり、空海とローレンス・レッシグを結びつけたり。……まさに編集の妙が随所に発揮されているようです。二人の博覧強記には本当に感心させられました。

ただ正直な感想をいえば、紹介される概念や技術用語を駆使した議論はしばしば私の理解できる次元を超えていて、何やら茫漠とした読後感だけが残りました。私がバカでした。

そんなわけでこれは読む人を選ぶ本。人によっては、知のインデックスとしてそれなりに読み出・使い出のある本といえるかもしれませんので、とりあえず記録がてらここに紹介した次第です。

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