ハートウォーミングなお笑い人間讃歌〜『ガマの油』
役所広司の第一回監督作品『ガマの油』は、一見したところ愛する者の死を悼むことをテーマとしています。ラスト近くのシーンで「人間は二回死ぬ。一度目はその人の身体が死んだ時。そして二度目は、その人を思い出してくれる人が誰もいなくなった時。だから忘れずに思い出してさえいれば、その人は生きている」と警句的なセリフを主人公が発するのを聴く時、観客はこの映画のとりあえずの「メッセージ」を感受して安心することでしょう。
とはいえ、この映画は人の死がしばしば呼び寄せてしまう過剰なドラマ性やセン