感想:中山可穂先生「ダンシング玉入れ」を読んで
※今回は内容のネタバレなしです。
中山可穂先生の!新作!!
このタイトルでピンとした方は宝塚歌劇がお好きであることは間違いないでしょう。
作中でも説明されている通り、宝塚歌劇団で10年に一度開催されている大運動会で登場する競技です。
玉入れの最中に笛が鳴り音楽が流れると玉入れを中断してダンスをして、また笛が鳴り音楽が止まると玉入れをする……というのが繰り返されます。
ダンスの出来栄えも評価されて玉入れの点数に加点されるというルール。
このダンシング玉入れというワードは、非常にキャッチーで宝塚歌劇を全く知らないという人にも「何ソレ!?」と聞かれるので、初対面やまだ慣れない人との会話のフックに出来たりするので個人的には非常に助かっています。
中山可穂先生の宝塚シリーズについては以前、感想文を書きました。
今回はこのシリーズとは別で、宝塚歌劇のエッセンスが沢山登場しますが三部作で登場したタカラジェンヌさんは出てきません。
主人公はトップスターの命を狙う殺し屋ですが、その依頼を全うするために宝塚歌劇やターゲットについて学ぶうちに……という内容です。
私も中山可穂先生の作品はだいたい読んでますからね、もう序盤で主人公とこの殺しの依頼人については予想がついていて、当たってました。
タイトルに出てくるダンシング玉入れは、実際には物語の中ではそれほど重要なものではありませんがやはりこのキャッチーなパワーワードをうまくエッセンスとして取り込まれています。
内容云々より、あとがきが衝撃的でした。
なんと、中山可穂先生はこの作品をコメディとして書いていらっしゃったそうで……
マ??????
いやまあ、確かに「ケッヘル」や「愛の国」あたりに比べたらするすると読めるけれども。
私、泣いたよ?????
まあでも、あとがきが一番泣けたかもしれません。
このようなご時世で様々なことが以前とは変わってしまったことを、中山可穂先生が一人の宝塚歌劇ファンとして嘆きつつも、希望を捨てていないその言葉が、私はとても響きまして。
思わず涙しました。
今回はどちらかというと、まだ宝塚歌劇にハマって日が浅い方が主人公に感情移入して楽しめるのかもしれないなと思いましたし、勿論どっぷり宝塚歌劇にハマっている方も楽しめると思います。
私自身としてはコメディとは言えませんが、三部作よりは比較的読みやすいという認識でいます。
どうぞ、是非読んでみてください。
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