嫉妬
友達の少ない俺。時々、構ってくれる彼女。基本的には女友達と話しているのに、たまに男と話してる。そんなときの、心のざわつき。
言葉にしてしまえば、己の矮小さに身もだえしてしまいそうな。
毎日続けているスポーツ。一生懸命にやっているつもりなのに。
どうあがいても、彼に勝てない。
そんなアイツは俺のことになど目もくれず、練習もほどほどに他の趣味を楽しんでいる。
要領の良さがうらやましい、と、そんな風に彼の実力を認められたのなら、どれほど前向きになれただろうか。
スマホ越しに見る、年下のアイドル。
顔が良いだけでいい思いしてる。
とっくに気づいている。その人気はとてつもない努力に裏打ちされたものだ。
自分だってできる。やってもいないのに、自分の能力の無さを認めたくないだけ。見ないフリをしておけば、ぬるま湯が心地良い。
自分の方が頑張っている。
こいつは俺より下だ。
無意味な比較で弱々しい自分を守りながら、薄っぺらい鎧を今日も着こんで歩く。
「明日から本気を出そう」
そんな決意表明だけが継続できている。
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