就活生と話して、自分の仕事を見つめ直す
こんにちは、アートマネージャーのてらだです。
一昨年から、卒業した中高一貫校の卒業生有志で行う「OBOG訪問マッチング」の運営に、ゆるゆると参加しています。簡単に言うと、母校出身で就活中の大学生や学院生と、社会人が話す場を作る活動です。昨年度は、学生と社会人合わせて10名くらいを集めて飲み会のようなことをやっていましたが、今年は、職種や業種別に、学生と社会人数名でZoomで話す会を開催しています。
私は今年度、「食品メーカー研究職編」と、「映像・舞台制作会社編」を担当しました。年次は違えど、中高6年間を同じ環境で過ごしているので、共有できるバックグラウンドが大きいし、社会人1-2年目と大学3年生とかだと、後輩側は先輩の顔は知ってる、ということも多くて雑談も弾みやすいんですね。
「食品メーカー研究職編」では、異なる食品メーカーに務める研究職お二人と、研究職志望の大学院生が参加。もちろん私以外はバリバリの理系なので、研究テーマの話とかはすぐに置き去りにされましたが、社会人側の話の中で、一つ印象に残っているセリフがあります。
「僕たちの仕事は、どうしても微生物中心に進む。サンプルを取るために、どうしても深夜3時でも研究室に行かなきゃいけないこともある。」
これって、どうしても作品中心に働くアートマネージャーの仕事と似てるとこあるかも…?(あ、ちなみに私は深夜3時に呼び出されたことはありません…)
自分には無縁だと思っていた食品メーカーの研究職、というお仕事ですが、彼らと話してみると意外と共感できる。そして、彼らもきっと私の仕事に共感してくれるんじゃないか。何が言いたいかって、自分の仕事は特殊で業界も狭いから、、、と卑屈になったり、無駄に孤独感を感じる必要はないのだ、と改めて思ったのです。むしろもっと発信して、共感してもらわないと!
その次の「映像・舞台の制作会社編」では、映像制作会社一年目のプロダクションマネージャーが話に来てくれました。就活生は、エンタメ業界に興味のある大学3年生。私は進行しつつ、自分の仕事のことも少し話しました。私は映像制作についてほぼ知らず、漠然と全く違う仕事だと思っていましたが、話を聞いてみると意外と共通点が多く、「あーそういうことあるよね!わかる!」とお互い頷き合ったり、何をやりがいに感じるかという話も、重なる部分が多かったんです。一方で、私にとっては、共感も多かったからこそ、彼女との比較を通し、「なんでこの環境でこの仕事をしてるのか」改めて問われる機会にもなりました。
どちらの回も、就活中の学生のために、という名目でしたが、やってみると案外、社会人側にもメリットというか、面白い側面があったのです。業務内容、会社の特徴、仕事のやりがいや辛いところ、何故その職場環境を選んだのかなど、「OBOG訪問で学生が聞きたい質問」は、「訪問」された社会人にとって、自分の仕事を見つめ直すきっかけになります。
ただ、やってみて痛感したのは、自分の仕事について他業界の人に理解してもらうためのボキャブラリーが、自分には足りてない、ということ。もちろん「アートマネージャー」も「制作」も、なかなかそれ一言では伝わらないというのは前からよく分かっていました。で、以前は、「一言で言うとこれをやってます」が言えたら/言える職種の人って楽でいいな〜とか思ってたんです。
でも、多分これって、相手と自分の前提は何かをいちいち考え、言葉を選びながら話さないと伝わらないことなんですね。例えば、映像制作やってる人に説明するなら、「制作」とか「プロダクションマネージャー」は共通言語としてあるので、映像と舞台作品の作り方や進行の違いの話をすると、業務内容も理解してもらいやすい。もっとゼロベースで、舞台作品ってどういうものか、から説明することが必要なこともあるでしょう。相手の知識や感覚に合わせて、理解できる言葉に落としていく、、、ってっこれ、仕事の説明に限った話じゃないですね、、、
色々発見があって楽しいので、就活生や、他業界、他業種の人と話す機会はもっと見つけていきたい一年です。