「勉強に立ち向かえない」その元凶は...
今日の夜は、オンライン家庭教師でした。
生徒さんは中学3年生の不登校の男の子。
ゲーム大好きでApexの腕前はプロ並み、勉強も好きでこそないが、それでも始まるとすごい集中力を発揮してくれます。
飲み込みが早く、わからない問題はすぐに「わからないです...」と言ってくれるすごく素直な生徒さんです。
ただ1点、「お母さんとの不仲」というところで色々と悩んでしまっているようです。
家庭教師は、Zoomを使ったオンライン授業です。
ぼくが時間通りにZoomの部屋を用意していると、まずはお母さんがいつも対応してくださいます。
しかし、いつもそこには生徒さんの姿はありません。
その生徒さんを担当するこになってから、3ヵ月ほど経ちましたが、一度も最初から姿を見ることはありません。
そして飛び交うお母さんの大きな声...
「早くしなさい」、「先生が待ってる」、「ここに座りなさい」...
そしてPC越しに始まる親子ケンカ... ((´∀`))
ぼくは毎回お母さんをなだめながら、だんだんと生徒さんとの会話を始めます。
「何かあったのか?」
そう生徒さんに聞いてみると、
「数学の教科書を探すように言われていたが、お母さんが探してれていなかった。教科書をしまったのはお母さんだからお母さんじゃないとわからない...だからお母さんが悪い。」
家庭教師はどんな生徒さんでも受け入れることから
これらのやり取りの中で、生徒さんとお母さんのどちらが間違っていると感じたでしょうか。
ぼくはどちらも間違っていないし、どちらも間違っていると思っています。
言うことを聞かせようという母親と、なんでも親の責任にする生徒、中学生親子のありがちなシーンです。
しかし、この中には生徒さんの心の奥にある本当の思いというものがあります。
これは持論ですが...
家庭教師の授業は「まずはどんな生徒さんでも受け入れる」ということから始まります。
その生徒さんが学校に行けていなくても、遅刻しても、ゲームばっかりしてしまっていても、勉強が嫌いでも、どんなに口が悪くても...
家庭教師はそのすべてを受け入れて、そしてその奥にある生徒さんからの本当のメッセージを見つけてあげなければなりません。
勉強に立ち向かえなくさせてしまうものは『不安』
この生徒さんは、色々な大きな勉強に対する『不安』を抱えていたのだと感じました。
「同い年の他の子は学校に通って、友達もいる。
ぼくは学校に行けていないから、勉強ができないし友達もいない。
だから高校にも行けないかもしれないし、そうすると将来自分がどうなってしまうかわからない...」
と、『不安』なのだと。
その『不安』が生徒さんの心を埋めつくしてしまい、
勉強する余裕を失くして、
結果的にゲームの世界に逃げてしまっていたのだ
と、そう思いました。
それは決して悪いことではありません。
むしろ自分の心を守るために行ってきたことだと思います。
しかし、勉強の『不安』は、勉強することでしか解消できません。
ぼくは、生徒さんにこのことを伝えました。
少しでもいい、10分や15分でいいから、3教科でいいから、毎日勉強に立ち向かう時間を作って欲しい、とお願いしました。
そして、この毎日の積み重ねが、今後高校生になったときに大切になるという話をさせてもらいました。
中学生くらいになると、今まで親の言うことが全てだった年齢から、ちゃんと自分の意見を持つようになります。
勉強をしない中学生で悩んでいる方がいたら、まずはそのお子さんの考えを受け入れてあげて欲しいと思います。
そして、プレッシャーや力ずくで勉強させるのではなく、親として勉強に対する『不安』を解消する方法を考えて、安心して勉強できる環境を作ってあげて欲しいと思います。
ぼくは今後も学習コンサルタントととして、こ生徒さんとお母さんと向き合いつつ、いがみ合う親子関係から、少しでもお互いの考え方を尊重できるような関係になって欲しいと努めてまいります。