dreamerからの死後に届く贈り物
フィールドを毎瞬、色とりどりにクリエイトする皆さま、こんにちは。
tobari-moonこと戸張碧月です。
今回は、アメリカ先住民の言い伝えのお話の中で、ドリーマー、「夢見る人」の
祖母からの、「自分は死んで見ることはない孫の将来」への贈り物の話を紹介させてください。
三十年程前に読んだこの話は、それ以降、わたしの心の中で、ずっと暖かいものとして、
宝物として、あります。
忙しい、追われるような毎日の中、フッと
道端の花を見た時のような気持ちになる話です
^ ^
ネイティブ・アメリカン(昔はインディアンと呼ばれていた)の中では、それぞれの特性によって、呼び名が個人につけられていました。
その中でも、夢を通して未来や、別の次元の世界を見通すことができる人を
「ドリーマー」夢を見る人
と、呼んでいました。
アメリカ先住民の人々は、アメリカに元々住んでいた民族でありながら、ヨーロッパからの侵略を受け、何千万人も殺され、土地を追い出され、わずかな生き残りの人々も迫害を受けている民族です。
大地と共に生きる彼らの知恵と教えは、目に見えない世界に常に通じ、アメリカ先住民の多くは、人間の能力の極限を引き出したような特異な能力を持ち、その中でも突出した者や長老達は知恵者、導き手として「シャーマン」と呼ばれ、敬われました。
そんな先住民のあるおばあさんと孫の話です。
おばあさんには男の孫がいました。
ある日おばあさんは、その孫にかわいいステキなお嫁さんがくる夢を見ました。
そして、その時、自分の死期も知るのです。
それからおばあさんは、くる日もくる日も、織物を織り続けました。
それは美しい織物で、飾りの散りばめられた、タペストリーのような、絵巻のような織物です。
何年か経ち、おばあさんは男の孫を呼びました。
そして、織りあがった織物を渡して言いました。
「わたしは生きて見ることはできないが、やがて来るおまえのかわいいお嫁さんと、おまえのために、結婚式の衣装を織ったのだよ。
わたしは夢で見たのだよ。
かわいいお嫁さんが来て、幸せそうなおまえ達を見た。
わたしが死んでずっと先の事だが、わたしはその日をもうこの目で見た。
ずっとおまえたちの幸せを見守っているからね。」
孫は喜んで、織物を受け取り、
その後おばあさんは亡くなり、
やがて大人になった孫は、お嫁さんとの結婚式に、おばあさんの織ってくれた花婿と花嫁用の衣装に袖を通します。
すると、その衣装は、大きく成長した花婿と、おばあさんは会ったことがないのに、花嫁の服のサイズを測って作ったように、ぴったりでした。
その衣装をまとって、大人になった孫は、
「おばあさんは、今日の日をヴィジョンで本当に見ていてくれたのだ、
そして、自分はとうに死んでしまうので、この結婚式には出られないが
この日の二人のために何かしてやりたいと、死ぬまでの数年間かけて、この日を祝うために、結婚式の衣装を織ってくれていたんだ。」
と、知るのです。
おばあさんはドリーマーとして、自分が死んだ後の孫達を見ることができ、祝え、幸せでした。
孫も、おばあさんがこの世に居なくても愛を感じることができました。
なんか、泣けて仕方なかった話です。
その日その日の忙しさにかまけて、
目の前の幸せを、見ることも感じることもなく、
ただ、必死で生きている中、
ふとした瞬間に、この話はわたしに、時間と手間をかけて、愛と心を込めることを思い出させてくれます。
そして、あたたかい気持ちにさせてくれます。
こういう先住民の口伝の、愛の生き方や智恵の話がたくさん残され、伝えられています。
また、いろんな素敵な話を紹介させていただけたらと思います^ ^
今日も一日、素敵な一日でありますように。
ありがとうございました。
戸張碧月
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