我が子が「発達障害ではないか?」と疑いを持った時
こんにちは。創造的な人生のために、心に関することを知っていただきたく、Room K 〜心との対話アトリエ〜では便りを出しています。
普段、子どもたちの遊びや学校での様子を見ていて、「発達障害では?」と思われる子を見たりします。また、保護者が心配されて相談に来られることもあります。子どもがクラスの子と馴染めなかったり、学習に関して皆と同じように進めなかったり、家や外で突発的な癇癪や号泣などがあり、その対応にどのようにしたらよいかという相談です。
「自分の子が発達障害ではないか?」と疑問にもたれて来る方もいます。心理士は精神科医ではないので、診断はできません。ですが、お子さんの様子を伺いながら、どうしてこの疑問が生まれたのかを丁寧に聞いていきます。
そんな中、成田奈緒子さんの本『「発達障害」と間違われる子どもたち』という本があります。多くの臨床経験があり、小児科医でもある成田さんは、こう書いています。学校や園で悩みを抱えている子どもの多くは、発達障害ではなく「発達障害もどき」かもしれないと。「発達もどき」とは発達障害とは診断されないまでも、それらの症状と同じような症状がある子どもを示すとしています。
この「発達もどきから抜け出す方法」として、私がこの本から読み取ったのは、十分な睡眠、整った生活リズム、脳のバランスを整えるということです。
特に朝は7時より前までに起こすことをすると(朝の早起きが苦手な子どもには音楽や遊びを提案するなど楽しいと思えるような工夫をして)、だんだん夜は早く寝ることが自然習慣づけられ、十分な睡眠が取れるようになり、脳のバランスを整えることもできるようになるとのことでした。
脳のバランスを整えることの重要なことは、脳の育ちには順番があり、
①からだの脳(呼吸・体温調節など生きるのに欠かせない機能、脳の中心)
②おりこうさん脳(言葉・計算の能力、勉強・スポーツにも関わる、大脳)
③こころの脳(想像力・判断力など「人らしい能力」を司る、前頭葉)
という順で育っていくというのです。
ですので、①からだの脳が発達していないと、②おりこうさん脳にいくことは難しく、ましてや③こころの脳は最後に発達していくというのが、健全な脳の発達だということです。
学校に通い始めるということは、学習の出来、不出来というのがどうしても、親も子も気になり始めます。しかしその前に、まずは基盤となるからだの脳が発達しているかどうか、振り返ってみてください。
また、もしさらに進んで「発達障害では?」と疑いが現れたら、根本的に子どもの生活のリズム、そして大人の生活のリズムも振り返り、改善を試みることをお勧めします。いくつかの改善例がこの本には載っています。
『「発達障害」間違われる子どもたち』成田奈緒子、青春出版社、2023